前回のAMD GPUロードマップに続いて、今回は10ヵ月ぶりのNVIDIA GPUロードマップである。やっとこちらもはっきりした動きが見え始めたので、いろいろまとめて説明したい。
40nm Fermiの2世代目
GF110シリーズで幅広い製品をカバー
連載87回でも触れたが、TSMCの32nmプロセスがスキップされたおかげで、問題の多かった第1世代の40nm「Fermi」を作り直すことに成功したNVIDIAは、2011年にかけて第2世代の40nm Fermiでハイエンドからローエンドまでのラインナップを揃え終わった。
まず2010年11月に、GF100コアの「GeForce GTX 580」が登場した。同年12月には、シェーダーを若干無効化して動作周波数を下げた「GeForce GTX 570」も登場する。さらに2011年11月には、シェーダーの無効化数を増やしてメモリーバスを320bitに制限した「GeForce GTX 560 Ti 448 Cores」なる製品まで投入された。
リンクの記事の見出しには「コアが増量」とあるが、これは正確ではない。本来のGeForce GTX 560系列は、次に説明する「GF114」コアをベースにしているが、448 Coresは上位の「GF110」をベースにしているからだ。ようするに、ミドルクラスの差別化のために性能を上げようとすると、GF114ではちょっと荷が重いので、上位のGF110をデチューンして投入した製品である。
ちなみにこのGF110は、(448 Coresを含めて)すべてグラフィックスカード3枚差しの「3-way SLI」が可能だが、GF114以下は2枚までの「2-way SLI」となっている。このあたりもGF110とGF114以下の差別化になっている。
このGF110に続いて、2011年1月にはGF114コアベースの「GeForce GTX 560 Ti」が投入される。“Ti”という名前が復活したのが、この世代では大きなトピックである。逆に言えば、無印はこれまでの“LE”などと同じ扱いになった、ということでもある。最初に登場したのがGeForce GTX 560 Tiで、続く2011年5月には、“Ti”なしの「GeForce GTX 560」が追加投入される。
また同じ5月には、OEM向けにやや性能を下げたGeForce GTX 560 TiのOEM版も投入された。これは製品名にまで“(OEM)”が入るやや紛らわしい製品だが、OEM製品がそのままリテールマーケットに流れることはありえないから、かまわないだろうということらしい。逆に、メーカー製PCやホワイトボックスPCにGeForce GTX 560 Tiが入っている場合、それがフルスペック版なのか、OEM向けのデチューン版なのかわかりにくいのは困ったことである。
ついでに言えば、同じタイミングでGeForce GTX 560のOEM版もリリースされた。こちらは厄介なことに、シェーダーそのものはGeForce GTX 560 Tiと同じくGF114のフル構成のままで、動作周波数を大きく下げた製品になっている。型番的にはGeForce GTX 560のOEM向けでありながら、実際はGeForce GTX 560 TiのOEM向け的な構成であった。

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