「コスプレすると演奏に手は抜けない」
―― それより川口さんは正統派のドラマーとしてここまで来ていると思うんですが、こんな変態な人たちとやっていてキャリアに影響しないんでしょうか。
千里パパ やはりエンターティナーとして魅せるという部分を学んで欲しいんです。「けいおん!」をやるんだったら、それなりの格好をしたほうが喜んでもらえるわけですよね。本人は嫌がっているんですよね。面倒くさいって。
千里 (うなずく)
ティッシュ そう、面倒くさいんですよね。でもね、衣装は着替えるべきなんですよ。ステージに立つという意識の切り替えになるので。外を歩ける衣装でも、出番前に着替えるべきなんです。自分は昔、芝居をやっていたことがあって。
―― おお。
ティッシュ 若い頃に声優の養成所に通っていたことがあるんです。
―― おおお。
ティッシュ 声優にはならなかったんですけど、その時に卒業した仲間と劇団をやっていました。だから衣装に着替えてとか、舞台に立っての見せ方いうのは、そこで学んだんですね。舞台に立つ時は必ず、正面か45度に切るとか。
―― なるほどトークのスピード感や軽快さは、まさに劇団の人ですよね。あのね、川口さんは変態力よりトーク力を学んだほうがいいです。
千里 遠く?
―― 喋りです。Talk。
千里 あ、いま漢字変換されていました。
―― まさにそういうのです! トーク、オーケー!
千里 なんだろうと思った。
―― しかしコスプレの元祖と言えば、やはりティッシュさんですけど、何で女装なんですか?
ティッシュ 見た目に凄くインパクトあるじゃないですか。コスプレすると演奏に手は抜けないなという気になりますね。見た目で騙したくないなというのはあるから。
―― なるほど逆にそうなりますか。でもコスプレって面倒っておっしゃってましたが。
ティッシュ コスプレでステージに立つなら、着て練習したほうがいいですね。自分の動画のコスプレもバンドのステージ衣装なんですけど、こんなの着て演奏できねえだろうと思って、自宅で練習しているわけです。足元もよく見えないですが、5センチのヒールを履いているんです。男性でピンヒール履いて歩くって難しいと思うんですが。
―― でしょうねえ。僕は履いたことありませんが。
ティッシュ 普通履かないと思いますね。まずサイズがないですから。ブーツもアメリカンサイズなんですよ。26.5の。

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