自由すぎるgalaxias!
── アルバム「galaxias!」の制作にとりかかったのはいつからですか?
DECO 3人でやってみようって話が出たのが6月で、その頃からTeddyくんのスタジオに行って音を作ってました。
Teddy 8曲目の「J.A.N」は、DECOさんが作ってくれた曲をぼくのスタジオでセッションしたものです。
── 5ヵ月ぐらいで1枚作ったわけですね。DECOさんは自分のライブや柴咲さんのツアーに出演してたのに、その合間に作るのは大変じゃなかったですか?
DECO アイデアはほとんど出てたので、そうでもなかったです。
Teddy ツアーで出てる間に僕がスタジオでミックスし、それをツアー中のDECOさんに聴いてもらって帰ってくる。
DECO アルバムとしての統一感を出したかったので、最終的に全体のバランスを整える役をTeddyくんにお願いしました。
── 流れとしては、DECOさんが曲を作って、Teddyさんがまとめるという感じですか?
DECO いや、それがまたバラバラで。Teddyくんがメロディのないトラックを送ってくれて、ぼくがメロディを付けて、とか。
Teddy DECOさんからメロディとオケをもらって、そのトラックをぼくが書き換えたりってのもあります。
── すごく自由……。でもそれで混乱しないのがスゴい。
DECO 楽しんでやれたし、ちょっとTeddyくんになりきって書くってところもあったりして。
Teddy ギターサウンドはDECOさんの味が出てると思います。ぼく自身「全部クラブミュージック!」というわけではなく、幅広い音楽を作りたい。「四つ打ちじゃないとダメなんだ!」とかそういうこだわりは特にないです。「エゴママ/恋距離遠愛」に収録された「ライトラグ」のリミックスもやったんですけど、DECOさんの曲って、あんまり悩まないでスッとリミックスを作れるんです。
DECO Teddyくんが上げてきたトラックにメロディを付けるときもすごくやりやすい。1曲30分で仕上げちゃったものもあります。
── 速っ! 2人の相性がよかったんですかね。
DECO 離れた場所で曲を作っているときも、Skypeでチャットしながらアイデアを出し合ったりしてます。そっちの方が慣れてて効率がいいんです。
── 顔を合わせずに作ることに慣れてるって、今っぽいですね。
DECO でも作ってるときは耳を使ってるので、同時に耳を使わないで済むチャットの方が都合がいいんですよ。だからSkypeのテキストチャットで「できたよー」って打って、自分の作業に戻って。
Teddy 2人ともネットコミュニケーションに精通しているのがデカいです。
DECO 「なるほど、了解です」が「おk」の一言でいい。
── ものすごい効率的!
DECO 2倍作れる感じです。集まってやってるとみんなで1つのものを固めていくイメージですけど、離れていると別々の場所で2つの柱を立てていける。アイデアは投げて出し合えますし。kousっていうレーベルメイトがいるんですけど、自分の作業画面を共有して、彼にLogic(DAWソフト)のパラメーターを見てもらうこともあります。
── なんかビジネスセミナーみたいな話ですね。「クラウドを使って生産性を高める……」とかなんとか。
DECO (笑)。でも、機械と機械でやりとりできるからこそ、自分の世界では閉じないように、人の気持ちにつながる作品にすることを忘れないように気をつけていますよ。