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2012年、日本のITはどうなる? 第1回

サーバー、ストレージ、ネットワーク機器の垣根がなくなる?

クラウドに溶解していくITのハードウェア

2011年12月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2011年は、ITインフラを支えるサーバー、ストレージなどのハードウェアが共通プラットフォーム化される方向が見られた。開発コストの削減というベンダー側の事情のほか、クラウドや仮想化の進展により、ハードウェアの個性が重要視されなくなったという事情もあるようだ。

サーバーとストレージの垣根がなくなりつつある

 2011年の2月にNECが事業説明会で発表したのが、今まで別々だったサーバー、ストレージ、PBX、ATMなどのハードウェアを共通化していく、「コモン・プラットフォーム戦略」である。専用設計されていた各種製品のハードウェアをサーバーベースに共通化することで、開発・生産・保守コストを下げ、製品投入まで迅速に行なおうというものだ。

 また、日本ヒューレット・パッカードは、サーバーとストレージを統合した「新共通プラットフォーム」を採用した製品を12月に投入した。もともと同社は、x86サーバーベースのハードウェアに独自ソフトウェアを載せるという形態のストレージも多かった。新共通プラットフォームはドロワー式のストレージとブレードサーバーが2Uの筐体に収められたもので、ディスクの搭載密度を上げつつ、サーバーも冗長化されている。エンタープライズ系のSAN製品は今後も専用ハードウェアを開発するが、エントリ向けの製品の一部はこうした新共通プラットフォームを採用していくという。

サーバーとストレージを統合したHPの「新共通プラットフォーム」

 こうしたハードウェアプラットフォーム共通化の背景には、もちろんベンダー間でのコスト競争がある。機種にあわせて、専用のハードウェアを開発するのはコストがかかるからだ。これに加えて、仮想化とクラウドの普及もやはり大きい。仮想化が普及すると、物理ハードウェアは仮想マシンを動作させる入れ物に過ぎなくなり、ハードウェアへの依存度は低くなる。また、クラウドが普及すると、物理的なサーバーやストレージは単なるコンピューターリソースとして扱われる。これらのクラウドサービスの実体はユーザーから直接見えないデータセンターに格納されるので、極端な話、ハードウェアは汎用のx86サーバーでよいという考え方になる。

 実際、一部ではラック、空調システム、サーバーが統合された形態も増えている。こうなると、データセンター全体から見ればサーバーは単なる部品で、保守の単位にしか過ぎない。サーバーとストレージに垣根を取り払われ、クラウドの中に溶解していくようなイメージになりつつある。

ネットワークの仮想化は2012年に加速するか?

 次はネットワーク機器だ。現状、ネットワークの仮想化は特定の製品やベンダーに依存した技術にとどまっているが、OpenFlowの旗振り主である米Nicira NetworksやBig Switch、日本でもミドクラなどが「ソフトウェアによるネットワークの仮想化」に挑んでいる。彼らが考えているネットワーク仮想化が実現すると、物理サーバー上の仮想マシンと同じレベルで仮想スイッチやロードバランサーが載せられる。コントロールは物理スイッチから引きはがされ、クラウドやOpenFlowのコントローラーが担うことになる。この結果、スイッチなどの物理的なネットワーク機器はVLANやACLなどのインテリジェンスを一切持たない、単にサーバーを束ねるだけの役割だけでよくなるわけだ。こうなると、データセンターは物理的には本当にサーバーの固まりで済むことになる。

 2012年もこうしたコンバージェンスが続くだろう。

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