ARMのメリットってなに? ていうかどうやってUbuntuで使うの?
小林:で、ARMをUbuntuで動かすと何が幸せなのか、という部分ですよね。
ミズノ:ARMはワットパフォーマンスと、消費電力の低さに優れていることが強みですね。
編集S:消費電力が低いのはわかるけど、ワットパフォーマンスって何なのだ。「消費電力あたりの性能」っていう意味でいい?
ミズノ:そんな感じです。性能半分だけど消費電力半分になります、っていうのだとワットパフォーマンスは一緒になりますが、ARMの場合はだいたい、性能半分だけど消費電力は1/3です、ぐらいの感触。
あわしろいくや:もともとの消費電力、IntelやAMDのモバイルCPUではせいぜい20wなところ、10w切るのが普通ですからな。5wも珍しくないです。GPUフルで回してそれぐらい。
hito:待機電力が低いのもポイントかなぁ。今どきのノートPCとタブレットの動作時間の差は、まあほとんどCPUの差なので。その分性能は低いですけど、「それなり」の使い方はできる、と。
編集I:消費電力が低いってことは、発熱も低い、ってことですね( ´ ▽ ` )ノ
ミズノ:で、モバイルするにも有利だし、おうちサーバーみたいなものを使う時も消費電力面で便利、と。
hito:まあ、ストレージ周りのI/O性能が足りないとか縛りもあるので、「ふつー」のUbuntuとして使おうとするともっさりするんですけどね……。
やまね:ストレージと言われて黙っていられない人がいるようです。
あわしろいくや:ストレージゴッドと呼ばれるのは構いませんが、ストレージネタすべてを振られても困るんですな!
編集S:(ひそひそ)構わないんだ……。
さかもっちー:(ひそひそ)ここまで崩壊したキャラにはなりたくないぐにゅう……。
編集I:(ひそひそ)時間の問題だと思うのです……/(^o^)\
さかもっちー:(ひそひそ)ぐにゅぅ!?
あわしろいくや:くすん。
編集S:で、なにを基準に選ぶべばいいんで……。
hito:「Ubuntuで動くやつ」が答えですかねぇ。どれも性能面では劇的な違いはないですし、Ubuntuではたいてい2つぐらいのハードウェアしかサポートしてないので、あんまり選ぶ余地はないんです。
ミズノ:毎回リリースノートに「○○用」とかって書いてあるんで、ハードウェア買うならあれに合わせれば大丈夫ですね。
あわしろいくや:リリースノートに書かれてないケースだと、いまのところは「Cortex A8以上なら大丈夫」と覚えておくのがいいですな。これより古い命令セットだと動かないので。
hito:あとUbuntuで使う場合も、まだインストーラーが完備されてない、とか制限はありますね。
やまね:あれ、インストーラーないの?
hito:Oneiricだと、Dynabook AZは/以下がそのままtar.gzになってます。他のやつはファイルシステムを丸ごとddしたやつだったり。
やまね:へー。
ミズノ:機種ごとにブートイメージからなにからなにまで別ですからねぇ。
編集S:え、なにそれ。
hito:ARMはいろんな事情により、SoCどころか機種ごとにカーネルが違う恐れがあります。最近はだいぶ改善してきて、SoC単位では同じにしようよー、という働きかけが行われていますが。
編集I:SoCごとに別のアーキテクチャみたいなものでしょうか?
小林:そう考えて頂くのが正しいと思います。
編集S:それはどういうことなのー。
あわしろいくや:えーと、いまどきのPCとMacって、CPU一緒ですけど中身は違うアーキテクチャというか、ブート時のお作法が違いますな。なのでMacを使う時は専用のごにょごにょした処理が必要になるはずです。Apple製品使わないのでよく知りませんけど。
ミズノ:BIOSとEFIなんで、どっちが進化しているのか、という話ではあるんですけどねー。
hito:で、ARMはSoCごとに、同じCPUではあるけど、ブートのときのお作法がまるっきり違ってたりします。だいたいはU-BootかRedBootがブートローダーやってて、そこから何とかしてカーネルを起動させる、みたいな感じで。
編集S:う、なんか難しい話になってきたのだ……。具体例を!
hito:PCの場合だと、BIOSが起動デバイスのMBRにあるブート指定を読み込んで起動、てなことが決まってます。これはどこのPCを買ってきても一緒ですよね。
編集S:ほうほう。
hito:ところが、ARM製品の場合はこのへんが決まってません。たいていはU-BootかRedBootっていうファームウェアが入ってて、そいつが「このカーネルを起動させろ」みたいな指定を準備してます。MBRに入るGRUB相当の部分が、ファームウェア組み込みになってるわけですね。
瀬尾浩史:結果としてインストール方法とか変わってくるわけペン?
hito:Debianだと片っ端からd-iで対応してたりもしますが、Ubuntuだとアプローチが微妙に違うんですよねー。たとえばTrim Sliceのインストーラーなんかは、こんな感じ。
やまね:ふへー。
瀬尾浩史:ちょっとびっくりするぐらい豪快ペン。
編集S:よし、なんか編集Sの手には負えないことがわかった!
ミズノ:とりあえず把握しておくべきは、「1. ARMはいろいろ種類があるので注意が必要」「2. 機種ごとに専用のイメージが必要」「3. 対応している命令セットによってはUbuntu動かないので下調べ重要」と。
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