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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第41回

失策続くRIM BlackBerryに巻き返しのチャンスはあるのか?

2011年12月14日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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タブレットは在庫償却費4億8500万ドル計上へ

 さてそのBlackBerry PlayBookでもよい話が出てこない。タブレットブームに乗る形で作成したPlayBookだが、電子メールやチャットが使えないなど出だしから不評を買った。10月末には、タブレットOSの最新版「BlackBerry PlayBook OS 2.0」のリリースを2012年2月に遅らせることも発表している。

 価格面でも苦しい戦いが続いている。8月末にHPがwebOS製品開発の打ち切り発表と同時に、TouchPadの叩き売りをスタート、欧米でタブレットの価格が一気に下がると、RIMもPlayBookを値下げした。小売店では200ドルを切る値段がついているところもあり、年末までビジネス顧客向けに2台買うと3台目が無料になるというキャンペーンまで展開している。

 しかし、数字は振るわない。RIMが12月はじめに明らかにした第4四半期の業績見通しによると、PlayBookの出荷台数はわずか15万台。第1四半期の50万台、第2四半期の25万台から減っている。これにより、同四半期は4億8500万ドルの在庫償却費用を上乗せするという。また、10月のサービス障害についても、損害賠償費用などで5000万ドルが盛り込まれることになる。

 これらのRIMのニュースは外的なものというより、主として管理・経営面でのミスに見える。たとえばBBX。次世代戦略の要となるOSの商標について発表前にチェックすることはできなかったのか。タブレットについても、RIMのタブレットに望む機能(=プッシュ型の電子メール)をはじめ、市場のニーズがわからなかったのか。

 カナダでは12月始め、RIMの幹部2人がトロント発北京行きのフライトで騒ぎを起こし、途中で緊急着陸させたことも話題となっている。RIMはこの幹部2人を解雇した模様だ。悪いことは重なるものというべきか。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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