「厦門(アモイ。中国語発音はシアメン)」という都市がある。上海と香港の間にある福建省の都市で、日本からも成田から全日空(ANA)が直行便を運行している。
この厦門の面白いところは、西洋的な建物がエキゾチックな「コロンス島」や、世界遺産の「客家土楼」に行けることもあるが、筆者的には離れているはずの台湾が超至近にあることだ。
以前紹介した香港と深センは隣接する都市ながら国境同様に隔てられていて、その様子は街並みにしても電脳事情にしても全然違う。同様に厦門と台湾の金門島の関係も至近ながら雰囲気はまったく違って、国境が非日常的な存在の日本人にとっては面白く感じるだろう。
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厦門は中国でも有数の大都市ながら、中国人の間では「住みやすい綺麗な街」と評判の都市だ。一方で台湾の金門島は田舎の雰囲気が残り、街の外に出れば牛がいるほどのどか。
環境が影響してか中国の他都市と同様に、スマートフォンユーザーやタブレットユーザーをちらほら見かけ、個人商店やレストランを覗けば店員がPOS端末として使うパソコンでゲームで遊んだり、動画を視聴したり、チャットを楽しんだりしている。
台湾全土ではスマートフォン利用率が高いのだが、金門島ではスマートフォンユーザーにはなかなか会わない。
一方で厦門では中国のチェーン店が、金門島においては台湾のチェーン店が展開されていて、中国と台湾のそれぞれのショップの雰囲気を感じることができる。
IT系でいえば、金門島では台湾全土で展開する「燦坤」という家電量販店があり、正規版ソフトやメモリー類を販売するセブン-イレブンもある。 マニアックな製品こそないが、パソコン、周辺機器、デジカメ、AV家電、白物家電、パソコンソフト、CD、DVD、各種メモリー類など最低限のものは金門島で揃う。
厦門では観光客が行く船着き場の「輪渡」~「中山路歩行街(歩行者天国)」で、大手家電量販店の「蘇寧電器」「国美電器」「永楽電器」が揃い、「永楽電器」のある「中華城」というビルの地下一階には「賽博数碼広場」という名の電脳街がある。
ちなみに、さらに大きな「厦門電子数碼街」なる電脳街が、そこから2km程度いった湖濱長途客遠站(湖濱長距離バスターミナル)というところの近くにある。こちらのほうが断然カオス度が上がるので興味があればぜひ行ってみてほしい。
各家電量販店のサイトを見てもまったく異なる雰囲気だが、リアルでもかなり異なるので、デジモノ物色旅行が好きな人にはたまらないのではなかろうか。
ネット環境も異なり、両地とも同じようにホテルにはネット環境が備わり、街中にはネットカフェがあるものの、厦門ではTwitterやFacebookを利用しようとするもアクセスできず四苦八苦する。一方、台湾から見れば離島の金門島は極めて快適な速度でWebサーフィンすることができる。
食においては厦門では日本人の口に合う福建料理がメインであり、金門島もまた魯肉飯(るうろうはん)をはじめ、本土とは違う台湾メシのオンパレード。食に関しては文句なし。
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