速さと大容量、安心の“三重楽”を備えるSOHO向けNAS

4ベイでRAID構築も簡単な本格NAS　Synology DiskStation DS411

2012年01月16日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

メールサーバーやファイルサーバー、プリントサーバーも
マルチOSにも対応し、オフィス用途に満足

　DiskStation DS411はWindows XP以降、Mac OS X 10.5以降、Ubuntu 9.04以降と幅広いOSに対応している。特に、Windows XPをサポートしているのは、古いPCを使うことが多い企業やビジネス用途にとってうれしいところ。対応WebブラウザーもInternetExplorerに加えてFirefoxやChrome、Safariと十分だ。

ユーザーを作成する

アクセス権限を設定する

　また、ビジネスで利用できるサーバー機能も充実している。一番利用するのがファイルサーバー機能だろう。ボリュームの中に共有フォルダーを作り、LAN上のPCから読み書きできるのだ。その際、「Windows ACL」（アクセス制御機能）により、ユーザーごとにアクセス権限を制御することができる。例えば、幹部はすべてにフルアクセスできるが、スタッフは特定のフォルダーに書き込めず、外部スタッフは読み出しオンリーといった具合だ。もちろん、読み出しもできない「アクセスなし」も設定できる。

　「Windows Active Directory」や「LDAP」といったアクセス権限管理機能にも対応しているので、すでにユーザー管理システムを導入している企業でも利用できる。「Windows ADS（Automated Deployment Services）」もサポートしており、多数のユーザーアカウントを手軽に管理できるのもポイントだ。ユーザーごとに、アクセスできる共有フォルダーや利用できる個人領域を簡単に設定でき、ビジネスでのデータ共有にも活躍してくれる。

フォルダーを暗号化する

　重要なデータを保存するフォルダーなら、暗号化すると安心だ。暗号化キーを入力しなければアクセスできなくなる。AES 256bitという強固な暗号化方式を採用しているので、万一HDDを抜き取られても、データを読み取ることができないからだ。

　オフィスでUSB接続のプリンターを使っているならプリントサーバー機能を活用しよう。DiskStation DS411のUSB端子にプリンターをつなげば、LAN内のPC全員で共有できるようになる。特定のPCにつないで共有する場合、そのPCを起動させっぱなしにしなければならないが、DiskStation DS411につなげばPCいらず。2台まで接続できるので、カラー出力用のインクジェットプリンターと、モノクロ文書用のレーザープリンターを同時に接続可能。さらに、iOSで利用できる「AirPrint」を有効にしたり、「Google Cloud Print」にも対応するので、仕事にスマートフォンを活用しているユーザーにも便利だ。

「メールサーバー」を有効にする。あらかじめ「ユーザーホーム」機能も有効にしておく必要がある

「Mail Station」をインストールし、指定のIPアドレスにアクセスするとウェブメールのUIが開く

　メールサーバー機能も備えている。例えば社内でメールを導入したいが、外部への情報漏洩が怖いという場合には、DiskStation DS411でメールを運用すればいい。POP3とSMTPに加えてIMAPにも対応している。「Mail Station」パッケージをインストールすれば、ウェブメールを利用することも可能だ。

　その他、ウェブサーバー機能を利用して企業PRのホームページをホスティングしたり、iTunesサーバー機能を有効にしてLAN内のPCで音楽や動画を共有するといったことが可能。

　VPN（Virtual Private Network）サーバー機能も備えているので、外出先からオフィスにあるデータにアクセスできる。やりとりされるデータは暗号化されるので、情報が漏洩する心配はない。