端末の情報を収集するツールが
購入時にすでに入っている?
海外を中心に、モバイル業界でここ1~2週間、Carrier IQというベンチャー企業が大きく取り上げられている。11月中旬にユーザーの入力情報などのデータを収集するというCarrier IQのソフトウェアが多数のスマートフォンにインストールされていると、ある個人開発者が報告したことに端を発するものだ。
Carrier IQ側は、「ユーザーのエクスペリエンス改善」を目的と主張しているが、プライバシー保護の観点から問題視され、集団訴訟も起こっている。以下に、Carrier IQ問題の経緯をまとめたい。
Carrier IQはモバイルサービスインテリジェンスソリューションベンダーを標榜するソフトウェア企業で、モバイル端末のユーザーエクスペリエンスに関するデータを収集することで、顧客である端末ベンダーやネットワークオペレーターの製品改善に役立てられると主張している。同社のエージェントはスマートフォンに限らずさまざまな携帯端末にインストールできる。
Carrier IQのソフトウェアはデバイスにルートキットとしてインストールされるため、ユーザーの多くはその存在がわからない。だが11月14日にモバイル開発者向け情報サイトの「XDA Developers」がCarrier IQの詳細な報告を紹介し、話題として一気に広まった。報告した開発者のTrevor Eckhart氏(ハンドル名はTrevE)はその後、Carrier IQの振る舞いを説明する動画も公開している。
Eckhart氏によると、Carrier IQは端末上でのキーストロークのログ、SMSメッセージ、Webブラウジングなどの情報を収集しているとのことだ。同ソフトウェアの無効化は難しく、オプトアウトも提供されていない、こういった特徴から、すぐにプライバシーに反するのではと非難の的となった。
最初に見つかったのはHTC製のAndroid端末で、記事ではNokia製端末やBlackBerryにもインストールされていると報告していた。その台数は1億4100万台と推測している。
そういったことから、非難の矛先は端末メーカー、それにネットワークオペレーターにも向けられた。
