Opteronの新パッケージは2012年に導入できるか?
問題は、このC2012/G2012の導入時期である。AMDのロードマップでは、サーバー向けプラットフォームを2年おきに入れ替えることになっているので、その点では2012年に入れ替わることになる(Opteron 6100の発表時期から考えると2012年3月)。だが、いくらなんでもこれは早すぎるという感じがしなくもない。
これは後述する話と絡むが、2010年に大きくシェアを失った理由を、AMDは「プラットフォーム変更によるもの」としている。それが事実だとしたら2011年から2012年は、再び盛り返すべき時期である。そこでいきなりプラットフォーム変更をかけたら、シェアを取り返すどころか再び失いかねない。そう考えると、2012年中はPileDriverを使いながらも、現行のSocket C32/G34を使う製品を挟む方が、自然な移行を可能にするように思える。そうしたことも踏まえて、このプラットフォームの導入時期を、ロードマップ図では2013年とさせていただいた。
これに続き、2014年には次々世代Bulldozerである「Steamroller」コア製品を搭載したOpteronが投入されるはずである。AMDのロードマップでは、これもダイあたり5モジュール/10コアが最大とされていたが、この世代ではプロセスの微細化によりダイサイズにゆとりができるはずだ。そう考えると、もう少しモジュール/コアの数が多くてもいい気がする。
考えられるのは、この世代から内蔵GPUを導入するというものだ。ただ、この世代で不確定要素になっているのは、どこのプロセスを使うかである。以前の情報ではGLOBALFOUNDRIES社の28nm HKMGプロセス(SOIではない)という話だったが、前回も触れたとおりWichitaがキャンセルになるという話があり、そもそもプロセスは大丈夫なのかがまだ不明だ。時期的に言ってもこの時期ならそろそろ20nmを視野に入れるはずで、これはちょっと疑わしいところだ。
そんなわけで、この2014年の「Dublin」「Macau」は、ちょっとまだ推定が難しいところだ(注:AMDのロードマップでは2013年になっているが、「Terramar」「Sepang」を2013年にずらした関係で、これらを2014年にした)。
ロードマップ図には載せていないが、「Trinity」コアの「AMD A」シリーズを、サーバー向けにリリースすることも考慮しているようだ。現行のLlanoコアに関しては「その予定がない」と明言されている。
ひととおりサーバー向けロードマップについて説明したが、Opteron 6200/4200シリーズの発表にあわせて、AMD本社からサーバー&ワークステーション担当プロダクトマーケティングディレクターのジョン・フリー(John Fruehe)氏が来日した際に、じっくりインタビューする機会に恵まれた。Opteron 6200/4200のシェアの話とか、Aシリーズのサーバー向けの話は、このフリー氏との会話の中で出てきた話題である。次回は特別編として、フリー氏へのインタビューをお届けしたい。
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