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スケールアウトできる重複排除ストレージの「B6200」も投入

ニコイチ筐体でサーバーとストレージの垣根を払うHP

2011年12月02日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月1日、日本ヒューレット・パッカードは、HP StorageブランドでのD2Dバックアップストレージの最上位機種を発表した。また、サーバーとストレージを単一ハードウェアに統合した「共通プラットフォーム」を採用したNAS、メールシステム用のストレージを投入した。HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 諏訪英一郎氏が製品の特徴を紹介した。

バックアップにもスケールアウトと高可用性を

 新製品の1つめにあたる「HP B6200 StoreOnce Backup Systems(以下、B6200)」は、バックアップ用ストレージ「HP StoreOnce」シリーズの最上位機種にあたる。HP StoreOnceでは重複排除の機能により、データを最大1/20にまで削減し、バックアップ容量を節約できる。

ハイエンド機種に当たるHP B6200 StoreOnce Backup Systems

 最大の特徴は、最小32TBから最大512TB(重複排除後の論理容量)という拡張性だ。B6200では、冗長構成の重複排除エンジンとディスクエンクロージャーをまとめた「カプレット」という単位で構成され、1カプレットで最大物理ディスクで192TBまでの容量拡張が可能。さらにこのカプレットを最大4つまで増設できる。同社ではP10000 3PARやP4000(Lefthand)、X9000などスケールアウト性に優れた製品をラインナップしているが、「バックアップについてもスケールアウト型のプラットフォームが必要になる。容量を増やすのは他社でもできるが、エンジンを増やすことで性能を向上できるのが、B6200の特徴だ」(諏訪氏)とのことで、最大28TB/時(4カプレット時)というスループットを実現するという。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズサーバーストレージネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 諏訪英一郎氏

 また、バックアップストレージでありながら、完全二重化の高可用性設計になっているのも特徴。諏訪氏によるとプライマリストレージでは高可用性設計は珍しくないが、バックアップ製品は二次ストレージであるためにデータ保護のみで、処理ノードやアクセスパスの冗長化など、サービスの可用性に配慮されてこなかったという。これに対して、「B6200では24時間きちんと動かせるよう、コンポーネントやノードの冗長化を実現した」(諏訪氏)という。

バックアップストレージでありながら、完全二重化の高可用性設計

 さらに重複排除機能もユニークで、平均4KBという極小サイズの可変ブロックで重複排除を行なうため、マッチングの効果も高いという。通常、こうした小さいブロックだと処理負荷も上がるが、マルチノード・スケールアウト化によって、負荷を分散する設計となっている。

 こうしたB6200を使うことで、低コストで遠隔コピーを行なう災害対策が容易に実現できるほか、複数の分散したバックアップをStoreOnceで統合することも可能だという。「最新のLTOであればD2Dよりも、速いケースもある。ただ、B6200であれば仮想テープライブラリとして複数のバックアップを統合し、ジョブを同時実行することもできる」とのことで、磁気テープとD2Dの強みを生かした提案をしていく。価格は、最小32TBの構成で2100万円から。

「新共通プラットフォーム」採用のストレージ製品

 そして今回の目玉は、ストレージとサーバーを統合した新共通プラットフォームを採用したNAS「HP X5000 G2 Network Storage System(以下、X5000)」とメールシステム向けストレージ「HP E5000 G2 Messaging System(以下、E5000)」だ。

 HPはかねてからストレージとサーバーの垣根をなくす新共通プラットフォームの導入を予告していたが、X5000とE5000はその採用第一弾となる。共通プラットフォームは、3Uのラックマウント型筐体に処理ノードであるブレードサーバーとドロワー式のディスクエンクロージャーが統合された「ニコイチな構成」になる。サーバーとストレージを別途で導入するのに比べ、スペースや電力消費、運用コストなどが削減できるほか、導入期間自体も短期間で済ませられる。

プラットフォーム共通化によるメリット

 さらに、ブレードサーバーは二重化されており、クラスタ構成が標準で利用できるのがポイントとなる。今後、専用設計のハードウェアはハイエンド機種でのみ提供し、エントリ~ミッドレンジの製品にはこの共通プラットフォームが展開される予定となっている。

ドロワー型のストレージとブレードサーバーが同居する新共通プラットフォーム

 共通プラットフォーム第一弾のX5000はWindows Storage Server 2008 R2を搭載したNASで、SMB向けのX1000やX3000の上位ラインナップにあたる。共通プラットフォーム採用により、今まで9.6TBで8U(2台のx86サーバー、2台のディスクストレージ)必要だったスペースを、3Uにまで削減できるという。さらに標準で2台サーバー構成となっており、初期設定もNASクラスターとしてウィザード設定できるのが大きな特徴だ。価格は9.6TBの構成で税込451万5000円となる。

 同じく第一弾のE5000はExchange 2010のメッセージアプライアンス。ハードウェアにOSやアプリケーションまですべて統合されているのがメリットで、HPとマイクロソフトにより、設計時の選択肢の90%が確定されているという。Active Directoryが構成されている環境において、メッセージインフラを迅速に構築できるという。価格はエントリモデルのE5300が税込504万円となる。

 3製品とも同日出荷開始となる。

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