プロジェクトの進行では、関係者間で認識にズレが出ないよう、常に情報を共有することが重要です。共有すべき情報には、スケジュールをはじめ、仕様やデザインに関する事柄、予算などが挙げられます。
また、ひとくちに情報共有といっても、クライアント、社内、協力会社など相手によって、共有すべき内容や、イミングは変わってきます。たとえばクライアントとは、予算や進捗状況、工程の節目でのデザインの確認などを共有します。その際、クライアントにWeb製作の知識がなくてもわかるよう、平易な用語を用いるよう注意します。一方、制作スタッフ間では、専門用語を使って綿密な情報と詳細な工数管理を逐一共有する必要があります。
情報共有の計画
情報共有の質を高めるには、対象に応じて共有する内容やタイミング、方法を的確に使い分けることが重要です。そのためには、事前に情報をどのように共有するかという計画を立て、その通りに実行する必要があります。
具体的には、プロジェクトの開始時に、共有すべき事柄を5W2Hの要件(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、いくらで)を満たすように整理して、それを文書化します。あとは、その内容をクライアント、スタッフ間で共有し、計画に沿って工程ごとに報告や打ち合わせを実行していきます。
情報共有の方法
情報共有にはさまざまなやり方があり、その中からその都度、最適な方法を選んで実行します。
たとえば、最も一般的な情報共有ツールであるメールは、文字で内容や日時を残せるので随時発生する要件に適しています。また、特定のアドレスにメールを送ることで、登録したメンバー間で一斉に送受信ができるメーリングリストも、情報共有には効果的です。
Wiki、BTS、SNSは、いずれもインターネット上のデータベースを利用しWebサイト経由で情報を共有する仕組みです。情報を系統立てて閲覧できるので、特に詳細な情報共有が必要なディレクターと制作者間のコミュニケーションに有効です。Wikiはトピックごとの情報共有に、BTSは進捗管理にと、それぞれ得意分野が異なるので、利用するメンバーやプロジェクトの内容に合わせて導入するとよいでしょう。
定例会議や定期報告書など従来からあるツールも、ある時点での情報共有には有効で、特にクライアントに対してはよく用いられます。もちろん、電話も手軽な情報共有ツールです。ただ、言った言わないのトラブルや要件の伝え漏れなどのリスクも伴うため、電話の後で内容をメールに記載し関係者を含め改めて共有するなど、他の方法を合わせて活用する配慮が必要になります。
著者:エレクス株式会社
“ソフトウェアにおける真のサービスを提供する”ことを第一の目的とし、情報技術に特化した会社として1993年に設立。システム開発、パッケージソフトウェア開発、Webサイトデザイン構築・運用業務から、最近はスマートフォン・タブレットアプリやARコンテンツ開発を展開。今後は、“CSP(Cloud Solution Provider)”として、クラウドを活用してお客様のニーズに最適なソリューションを提供し、さらなる情報化社会の発展に貢献します。