AirPlayとDLNAで広がる、iPhoneの可能性 第1回
初歩から始めるネットワークオーディオ
CDを上回る高音質再生にこだわれる「DNP-720SE」
2011年11月30日 10時00分更新
HDDにライブラリー化された音源を本格的なシステムで
DNP-720SEの機能に入って行く前に、なぜネットワークプレーヤーが求められているのか、簡単に説明しておこう。
まず第1の理由として“音楽を聴くスタイルの変化”が挙げられる。
iPodの登場は、音楽CDをリッピングし、パソコンの中にライブラリー化するスタイルを一般化した。さらに最近ではネットストアで購入した楽曲をダウンロードして自分の音楽ライブラリーに収めるという方法も増えてきている。
今や音楽といえば、物理メディア(レコード、テープ、CD、MDなど)ではなく、直接デジタルデータを扱うのが当たり前となった。
裏を返せば、ユーザーが所有している楽曲(ソース)の多くが、データとしてパソコンや携帯機器内に存在しているということ。これらのソースを「自宅のシッカリとしたシステム」で「できるだけ高音質に再生したい」というニーズが出てくるのは当然の流れだろう。
HDD内にライブラリー化した楽曲には、CDにはない特徴がある。
ひとつは曲名やアーチスト名などのメタデータが付与されており、検索が容易であること。もうひとつはプレイリストの作成によって、アルバムをまたいだ楽曲でもメディアの入れ替えが不要になる点である。
これらはパソコンやiPodで音楽を再生している人なら、誰でも一度は実感したことがある“使いやすさ”ではないだろうか?
CDを上回る、ハイレゾ音源も再生できる
次に第2の理由としては、音源そのものの変化を挙げたい。
ダウンロード音源の魅力は何だろうか? ひとつは場所や時間に縛られず楽曲を購入できる「手軽さ」。もうひとつはフォーマットの制約に縛られない「自由さ」ではないか。
このうちオーディオマニアが注目しているのは後者。CDを上回る情報量を持つ(=高音質な)音源を提供するサービスがじんわりと定着してきている点だ。
ご存知の通り、CDに収録されている楽曲は「16bit/44.1kHzのリニアPCM」となっている。実際の制作現場では、これよりも高い品質で収録し、原盤(マスター)を作るのが主流だが、CDの規格に合わせるためには情報量を落とさなければならない。
高音質をうたう配信サイトでは、すでに“ハイレゾ音源”や“スタジオマスター音源”などと呼ばれる、ハイビット・ハイサンプリングレート音源の配信が始まっている。これらの音源は、24bit/96kHzなどCDを上回る情報量を持っているのが特徴だ。
しかし、こうしたデジタル時代ならではの高音質ソースがある一方で、その品質を十二分に示せる再生機器は意外に少ない。あらゆるソースに対応しうるという点では優秀なパソコンであるが、そもそも内部は電磁波の巣であり、ファンノイズを始めとした騒音も中々切り離せない。そもそも、自宅のオーディオシステムに、パソコンを同居させることに抵抗感があると言う人も少なくないのではないか。