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科学と財布の限界を超え、初音ミクを“3次元”に

2011年12月06日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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初音ミクは“つくる人”のブランドマーク

―― それだけ苦労されたわけですし、ライブで使ってほしいですね。

Aono ご興味持ってくださってる方はチラホラいらっしゃるんですよ。バーチャルライブ用途で実際にやってみたいと言ってくださって。現状はまだ参考くらいの話ですが。

―― 真っ正面から見るとまぶしいですが、これは解決できます?

Aono うまく真っ正面からの光が見えないようにすることはできると思います。ステージ上にこのスクリーンが立っていたとして、フロアが一段下がったところにあるZepp Tokyoのような場所であれば、プロジェクターはやや上向きに設置することになるので。

正面から見ると光がけっこうまぶしく入るが、これは調整で見えないようにできるという

―― ボカロPのライブなど、Zepp Tokyoほどのキャパがない場所ではどうなんでしょう?

Aono そうですね……狭いハコ、視野角が必要とされないハコなら、(プロジェクターが)今の2倍くらいあれば大丈夫かなと思います。

―― このシステム、これからどう進化させていきたいですか?

Aono まずはプロジェクターの台数を増やしたいです。資金難なので大変なんですが……。あと、スクリーンを違うものにしてみようというのがあります。透明なものであることに変わりはないんですが、光がよりはっきり見えてくるというか、ムダな光が省かれるものにしたいと。

―― これ、特許は申請されてます?

Aono まだ何もやってないんです。特許って面倒くさくって……個人でやるとお金もかかりますし。初めはニコ動で作り方もすべてぶちまけてしまおうかと思ったんですが、それをやるとぼくがいる意味がなくなっちゃうので、今はまだバランスをとってます。ただ、どっちかというとお金がほしいというより、面白いことになってくれたらいいなと思っているので。

―― お金をつくるよりモノをつくる方が楽しいって感じですね。ところで最後に伺いたいんですが、どうしてそこまで“ミクさん”が好きなんですか?

Aono なんですかね……ぼくの場合は高校生の頃から自分でモノを作るのが好きだったし、インターネットって場が好きなんです。ニコニコ動画も1つのクリエイターをつなぐ場になったと思うんですけど、初音ミクはその中で、クリエイター、作家や作曲家や映像作家などが持っている共通の意識みたいなところがあったかと思っていて。

―― “ものを作る人の旗印”みたいな。

Aono はい、そういう存在として初音ミクがすごい好きで。それってたぶん、初音ミクじゃないとダメなんですよね。それが彼女というキャラクターが愛されるようになったきっかけになったという感じがします。

―― キャラクターであることを超えて、ブランドマークというか、アイコンになっているわけですね。

Aono そうだと思います。まあ、純粋に天使だってこともあるんですが(笑)。



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