柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第91回

月額300円で手持ちのPC・Mac・AndroidにATOKを入れる技

すべてのATOKを同じ状態で利用できる

　「ATOK Passport版」は支払い方法が月払いなだけで、通常の「ATOK 2011」と同じフル機能が利用できる。もちろん、「ATOK Sync アドバンス」も利用できる。これは、変換辞書の学習情報や確定履歴、自分で登録した単語やお気に入り文書などを同期する機能。クラウドに情報をアップロードしておき、「ATOK Passport版」をインストールしているすべての端末を同じ設定にしてくれるのだ。クラウドサービスには同社の「インターネットディスク」サービスを利用する。本来は有料のサービスだが、「ATOK Passport版」のユーザーなら契約中は無料で利用できるのがうれしい。

　「ATOK Syncツール for ATOK2011」は、「JUSTオンラインアップデート」を利用してインストールする。ATOKのメニューから「ヘルプ」→「アップデートを確認」をクリックして、ウィザードの指示に従えばいい。セットアップ後はATOK Syncの設定を行なう。これで1日1回ATOKのデータがクラウド経由で同期されるようになる。

「ATOK Syncツール for ATOK 2011」にチェックして、「ダウンロードして実行」をクリックする

「申し込む」をクリックして、ATOK Syncの設定を行なう

　2台目以降も基本的に同様の手順で「ATOK Passport版」と「ATOK Syncツール for ATOK2011」をセットアップし、シリアルナンバーやuser IDを入力する。同期が完了すれば、Windows PCのATOKで登録した単語や学習情報などを利用できるようになる。

ATOKの体験版をインストールし、初回起動時にダイアログが出るので「シリアルナンバーの入力」をクリックする。画面はMacBook Air

オンラインアップデートで「ATOK Syncツール for ATOK2011 Mac」をインストールする

ATOK Syncを実行する前

ATOK Syncを実行した後

　Androidスマートフォンでは、「ATOK Passport版」をインストールし、シリアルナンバーなどを入力。日本語入力システムを切り替えると使えるようになる。フリック入力の際に現れる選択肢がフラワー状に開くのが特徴で、慣れると濁音も指を滑らすように入力できる。

　Android版はATOK Sync機能を備えているので、ログオンするだけで辞書などを同期できるようになる。PCと同じような変換候補が表示されるのは最高だ。キーボードよりも入力しにくいスマートフォンだからこそ、ATOKのありがたみが際立つ。

Androidスマートフォンで「ATOK Passport版」をインストール

「契約有効化を開始する」をタップする

シリアルナンバーとオンライン登録キーを入力する

「[言語とキーボード]を開く」をタップする

「ATOK Passport」にチェックする

入力フォームを長押しし、「入力方法」をタップする

「ATOK Passport」にチェックする

初回起動時にライセンスに同意する

設定画面からATOK Syncを有効にする

ATOKで入力できるようになる

ATOK Syncの同期後はPCと同じ登録辞書が利用できる

複数デバイスを利用しているならコスパは最高

　10台までのデバイスでATOKを利用できるのは大助かり。仮に5台で利用したとしても、1台1日あたり2円で使える計算だ。パッケージ版だと「ATOK Sync」で利用するストレージの利用料金は12ヵ月間無料だが、その後は有料となる。「ATOK Passport」なら契約している限り無料で使えるのは助かる。

　ライターでなくても、たくさんのメールを送受信するビジネスパーソンや長文を投稿することが多いブロガーなら「ATOK」の恩恵は大きい。貴重な時間を節約できることを考えると、月額300円のコストパフォーマンスは最高。せっかく安いのだから、友人や家族と共有しようなんてケチな考えはやめよう。人名を呼び出す時のキーワードや怪しい検索キーワードなどが筒抜けになってしまったら目も当てられない。

　まずは、無料の試用版を使ってみて欲しい。すぐに契約したくなるはずだ。

「本が厚い」「夏が暑い」「お茶が熱い」を正確に変換。iPhoneや手持ちのAndroidで入力してみよう

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「Twitter Perfect GuideBook」（ソーテック社）、「Dropbox WORKING」（翔泳社）、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「ポケット百科 GoodReader 知りたいことがズバッとわかる本」（翔泳社）。