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Apple Geeks 第63回

iOSアプリは「iCloud対応」がポイント

2011年11月18日 12時00分更新

文● 海上忍

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アプリのiCloud対応/非対応で異なる、
iCloudストレージの減り方

 違いのひとつが「ファイルの転送方法」だ。たとえば、iCloudに対応しないPDFビューワー「Adobe Reader」(iOS版)の場合、パソコン上のPDFをiOSデバイスに転送しようとすると、iTunesのファイル共有機能を使い、アプリに直接転送するしかない。同じiOSデバイスであれば、Safariなどほかのアプリから転送/保存できるが、デバイスをまたぐ形で直接ファイルを融通することはできないのだ。たとえば、iPhoneのSafariで開いたPDFは(iPhoneの)Adobe Readerには保存できるが、iPadのAdobe Readerには保存できない。

iCloud非対応の「Adobe Reader」の場合、パソコン上のPDFはiTunesを経由させなければ転送することが難しい

 一方、iCloudに対応する「GoodReader for iPhone」「GoodReader for iPad」は、iOSデバイス間であれば(同じApple IDでサインインしていることが前提)、iCloudを通じてファイルを融通できる。手順は簡単、iCloudの領域にファイルをペーストするだけ。iTunesという仲介役は必要なく、同じGoodReaderをインストールしたiOSデバイスがあればいいのだ。前述のSafariで開いたPDFも、保存場所にGoodReaderを指定すれば(GoodReader側でPDFをiCloudに移動する作業は必要)、同期なしにiPadなどほかのデバイスで開くことができる。

iPhoneとiPadそれぞれで「GoodReader」のiCloud領域を表示したところ。まったく同じファイルが表示されていることが分かるはず

バックアップの違いもポイント

 バックアップの事情も変わってくる。アプリ内にデータ/ファイルを格納するAdobe Readerの場合、バックアップオプションを変更しないかぎりすべてのPDFがバックアップ対象となるが、GoodReaderではiCloudの部分はバックアップ対象から除外される。たとえば、共通のApple IDを使用するiPhoneとiPadがあり、それぞれ同じPDFを保管している場合、Adobe Readerはバックアップ時に二重で領域を消費してしまうが、PDFをiCloudに保存したGoodReaderではそうならないのだ。

iCloudに対応するGoodReaderやiWorkなどのアプリは、使用するiCloud領域はバックアップ対象から除外される。一方、iCloudに対応しないアプリは全体がバックアップされる

 なお、アップル謹製の「iBooks」もPDFビューワーとして利用できるが、今のところiCloudには対応していない。表示品質や操作性を除いた「PDFストレージ」としての役割のみ考慮すれば、iCloudに対応したGoodReaderにアドバンテージがあることは確かだろう。

 本稿ではPDFに絞って話を展開したが、写真や動画、オフィス文書についても同様のことがいえるはず。アカウントを登録すれば誰でも5GBの容量を割り当てられる「iCloudストレージ」は、バックアップ用の領域として評価した場合、使い方とアプリの選び方次第で“5GBしか”にも“5GBも”にもなりうるのだ。

Adobe Reader App
価格無料 作者Adobe Systems
バージョン10.1.0 ファイル容量5.9MB
カテゴリービジネス ユーザーの評価(3.5)
対応デバイスiPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS以降/iPadシリーズ 対応OSiOS 4.2.5以降
GoodReader for iPhone App
価格450円 作者Good.iWare
バージョン3.10.3 ファイル容量22.2MB
カテゴリー仕事効率化 ユーザーの評価(4.0)
対応デバイス全機種 対応OSiOS 3.1以降
GoodReader for iPad App
価格450円 作者Good.iWare
バージョン3.10.2 ファイル容量12.6MB
カテゴリー仕事効率化 ユーザーの評価(4.5)
対応デバイスiPadシリーズ 対応OSiOS 3.2以降
iBooks App
価格無料 作者Apple
バージョン1.3.2 ファイル容量15.5MB
カテゴリーブック ユーザーの評価(3.0)
対応デバイス全機種 対応OSiOS 3.2以降

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