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ミクZ4、3年目の本気! SUPER GT激闘記 第47回

富士に歓喜のミク凱旋! ミクZ4、特別戦で4度目の大勝利

2011年11月13日 03時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●撮影/鉄谷康博、加藤智充、原 勝弘、編集部

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スタンディングスタートは任せろ~!
谷口選手がロケットスタートを決める

 第一レースの決勝が始まった。スタート方法も従来のローリングとは違い、F1と同じスタンディングスタート。ヨーイ、ドン! でグリッドからスタートするのである。458の平中選手はなんとスタートに失敗し、完全に出遅れる。逆に谷口選手は事前に「スタートには自信がある」と語っていた通り、ドンピシャのタイミングで猛ダッシュして1コーナーまでに1位に踊り出た。もてぎで恐ろしい速さを見せた#33 ハンコックポルシェと、F3チャンピオンの関口選手がドライブする#88 JLOCランボルギーニも458をパスし、ミクZ4に襲いかかる。

 しかし、富士スピードウェイはミクZ4のホームコース。性能調整はそのままとはいえ、直線でグイグイと後続車を引き離し、気がつけば2位のハンコックポルシェと7秒差をつけ、一人旅状態に入っていた。

 #62 レガシィB4は再び圧倒的なスピードで3位まで上がってきたが、タイヤが急激にタレてしまったのか、このスプリントレースで急遽ピットインしタイヤ交換をした。しかも、タイヤのセンターロックがトラブルで一時的に外れなくなるなど、事実上優勝争いからは脱落。また、#26 タイサンポルシェは1周も走らずにマシントラブルでストップ。#31 ハセプロカローラもトラブルでリタイヤしてしまった。

 ミクZ4の後ろでは3位以下がダンゴ状態で458を中心に抜きつ抜かれつの熾烈な争いを繰り広げていた。そんなバトルを尻目に、ミクZ4はすでにはるか彼方。このまま独走状態で楽々勝利かと思われたが、残り10周を切ったあたりからタイムが見る見る落ちてくる。当初は、タイヤを労るクルージングモードに入っているのかと思われたが、「フロントのグリップがなくなっていた」と谷口選手。7秒差あったハンコックポルシェとの差は徐々に縮まり、ついにファイナルラップで追いつかれ、オーバーテイクされてしまう。

 しかし、そこはテクニシャン谷口選手。最終コーナーで前に出られて、誰もが諦めモードに入っていたが、谷口選手はミクZ4のビッグトルクを信じ、ハンコックポルシェのスリップに入る。ゴールラインのぎりぎり直前で前へ出ることに成功し、第一レースで勝利を収めたのだった。セパン戦ばりの辛勝であったが、最後のラップで緊迫のバトルを演じた2台に惜しみない拍手が贈られた。

 タイヤが予想以上に早くタレた原因を谷口選手は「路面ができていなかったんです。普通ならラバーが乗ったりしているのでタイヤの減りは緩やかなんですが、雨でラバーが流されてしまったので路面がおろし金状態だったんです。まあ、なんとか勝てたのでセーフでしょう。勝てばいいんですよ、勝てば(笑)」とコメント。

セーフ! と大げさなジェスチャーで戯けてみせる谷口選手。NOBさんに対して、ここまでハラハラしたのは今シーズン最初で最後だ

 大橋監督は「かなり危なかったレースでしたが、おかげでどのくらいでタイヤが変化するかといったインフォメーションが得られたので、番場選手のレースに活かせますよ」と冷静だ。

 これで、チームが手に入れた優勝トロフィーは4個目。こんな高勝率のチームは今までも、そしてこれからもなかなか出てこないだろう。

今回はトロフィーだけでなく、メダルも贈呈された。4度目の優勝に谷口選手もうれしそうだ。なお、2位にハンコックポルシェ、3位は混戦を制した#43 ARTA ガライヤが入賞した

 日曜日の第二レース決勝は番場選手。こちらのレースにエースドライバーをぶつけてきたチームも多く、また12番手スタートと苦しい材料ばかりだが、番場選手ならきっとミラクル(SBT)を起こしてくれるに違いない。

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