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なぜ作ったし――鳩にキュンとする恋愛ゲーム

2011年11月18日 12時00分更新

文● 盛田 諒/ASCII.jp編集部

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乙女ゲーってほとんどやったことなくて

―― では「はーとふる彼氏」も、いつか鳥類でゲームを作りたいと思っていて?

玻都 いえ、(エイプリルフールの)前日に思いついて。

―― 前日って。そこから作ったんですか?

玻都 「そうだ、ハトで乙女ゲーにしよう」と思いついたのが昼間で、コピー用紙1枚にキャラ設定を描いて、Webページを作り、日付が変わるギリギリで公開したという感じです。その後、どうせならFlashでノベルゲーのサンプルもつくっちゃおうと……。

当時のキャラ設定やストーリーボードも見せてもらった。「適応と淘汰」「変異ウイルスの影響」など、かなりハードコアなところまで綿密に設定されていた

―― それで作り終えたのは?

玻都 半日ですね。

―― めちゃくちゃ早いですけど、全部1人で作られたんですよね?

玻都 はい。たぶん、わたしがヒマ人だったってことなんじゃないでしょうか。

―― 発表したとき、ここまで話題になると思ってました?

玻都 まったく思ってなかったです。あまりアクセスが多すぎて、サーバーも落ちました。エイプリルフールのときも落ちましたが、Windows版を公開したときも落ちました。

―― またずいぶん落ちましたね。

玻都 「もうハトは見飽きただろ」と思ってたのに……。

現在ではWindows/Mac両対応に。コミケで発売されたパッケージ版「はーとふる彼氏Plus」では、新キャラクターのヒムネバトが追加されている

―― ハトそのものというより、“キャラクターはハトだけど、いかにも乙女ゲーっぽい”というパロディがウケていたような感じがあります。

玻都 あ、でも実はわたし、乙女ゲーってほとんどやったことがなくて……。

―― ええーっ。

玻都 あのゲーム、すべてわたしの思い込みで作ってるんです。たとえば乙女ゲーって、キャラクターボイスが先に発表されるじゃないですか。あれ、外側から見てると不思議だなーと思ってて。

―― まったく外野だったわけですね。だから目線が冷静でウケたのかもしれない。

玻都 友人が教えてくれたんですが、Webのどこかで「ハトゲーの作者は乙女ゲーについてもBLゲーについても認識がズレている」って書かれてたと。自分でも多少、そうなんだろうなーと思うところはあります。

―― でも普通、思いついても作るところまではいかないと思います。

玻都 思いついてしまったからというのはもちろんあるんですが、実際、“その先”のためにやったということもあります。以前から、ゲームを作ってみたいとは思っていたので。

―― ノベルゲームを?

玻都 はい。ビジュアルノベルは一度土台を作ってしまえば、カラーでいろんな場面を再現できるわけじゃないですか。漫画と比べても、作業に対して進められる話や、演出効果の効率がいいというか……。

―― 漫画やイラストじゃない、ネットやPCならではの作品づくりができると。発想がネットオリジンというか、なんていうかインディペンデント志向ですよね。

玻都 はい。前例のないことを成功させるのがうれしいというか……。だからわたし、まともな会社員には絶対なれないんじゃないかと思います。

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