キヤノンが業務用ビデオカメラの新ブランド「CINEMA EOS SYSTEM」を発表した。これにより、同社は日本およびハリウッドの映像制作業界に本格参入する。
中心となるのはレンズ交換式ビデオカメラの「C-300」(予想実売価格150万円前後)と対応レンズ群(今回発表されたのは7本)。
C-300は24.6×13.8mmのCMOSセンサー(829万画素)と最大50Mbpsで記録できる画像処理エンジンを搭載。EFマウントモデルとPLマウントモデルの2ラインナップとなる。
また、2012年に4K動画記録に対応する一眼レフデジカメ(ベースは「EOS-1D X」)を発売することも発表。現在開発中とのことで詳細は明かされなかったが、新開発のフルサイズセンサーを採用しているという。
今回の発表に先立ち、同社はアメリカで発表会を開催。キヤノンの代表取締役会長兼CEOの御手洗 冨士夫氏が登壇し、“ハリウッドコミュニティーへの仲間入り”を宣言した。
国内メディア向け発表会に登壇したキヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の川崎正己氏は、日本での展開について説明した。
CINEMA EOS SYSTEM立ち上げのきっかけは、2008年にリリースされた「EOS 5D Mark II」が大判イメージセンサーを搭載したビデオカメラとして広く使われるようになったこと。
ただし、あくまで一眼レフデジカメということで、使い勝手や操作性の面で改善の余地があったという。そこで2009年に新プロジェクト立ち上げ、動画撮影に特化した“EOS”を開発。操作性を高めた。
日本では2012年1月から順次製品の投入を開始。デジタル撮影の割合が進むCM用途をメインターゲットに据え、直販を中心に展開していくとのこと。そのために新販売組織を社内に立ち上げる。