運用業務の受注が決まったら、受発注者間で取り決められた内容に沿って実際の運用業務を行っていきますが始まります。円滑な運用業務には、事前の体制構築が不可欠です。「誰が、何を、いつまでに行なうする」か、担当者やルールを制作会社の社内で整えておく必要があります。
ページ追加型の運用体制
運用業務にはさまざまなパターンがありますので、ここでは代表的な2つの例を挙げて紹介します。
1つ目のパターンは、ショッピングサイトやポータルサイトなど、ページを随時増やしていくタイプのWebサイトです。この場合は通常のWebサイト制作と同じように、構成を作成して素材を用意し、デザインやコーディング、社内テスト、クライアントチェックを経て納品する流れが基本です。
案件にもよりますが、それぞれに担当者を付けて、チェック体制を構築します。重要なのは、必ず複数の人でチェックすることです。更新作業は、新鮮な情報をいち早くユーザーに提供するためにスピーディな作業が求められる一方、公開後にミスが見つかるとサイトの信用を落とし、アクセス数を減らす原因にもなりかねません。特に制作会社側で本番アップする際はなおさら慎重に作業する必要があります。最終確認やアップの作業には、十分に経験のあるスタッフを配置するとよいでしょう。
ページ変更型の運用体制
2つ目は、すでにあるページを部分的に変更したり追加したりするパターンです。すでに更新内容が決まっていてクライアントから指示を受ける場合や、相談しながら決める場合などがあります。口頭で依頼された場合でも、間違いのないよう、作業内容を再度整理してメールで送るなど、エビデンス(証拠)を残しておくと、「言った」「言わない」のトラブルを回避できます。この場合も、窓口となる担当者と作業者を決め、必ず複数人でチェックし、クライアントの確認を経て本番環境にアップします。
CMSやブログを使って更新する場合も、作業の流れは大きく変わりません。ソースコードを書かなくても更新できるので、制作会社側で担当できる人員が増えたり、よりスピーディに対応できたりする利点はありますが、いずれにしても人手による作業ですので、必ずミスが起こる前提で作業内容の確認や複数人でのテストを実施するようにしましょう。
いずれのパターンでもWebサイトを活性化させるには、PDCAに沿った運用体制を整える必要があります。アクセス解析などの効果測定の結果をもとに関係者が集まって議論する場を定期的に持ち、コンテンツやサイト設計を見直すことで、Webサイトはより活性化できます。
著者:高木 結/インサイドテック
マーケティングおよびコンセプトメイキングからコミュニケーションの設計・制作を行なうクリエイティブカンパニー。「世の中にもっと笑顔を!」をスローガンに、Webを中心とする総合的なプロモーションのプロデュース、企業や商品のブランディング、ネットショップの開発運営、スマートフォン・ソーシャルプロモーション、プロダクトデザイン、自社サービスの開発など、枠に捕われない自由な発想で日々進化を続けています。