アップルが位置情報サービスを開始した
ところで、携帯電話を利用した位置情報サービス自体は目新しいものではなく、たとえばNTTドコモがPHS向けに提供していた「いまどこサービス」は1998年にスタートしている。このサービスは基地局から現在地を割り出すもので、現在主流のGPSと無線基地局情報を併用するタイプとは技術的に異なるが、だからといって位置情報としての本質は「友達を探す」と大きく変わらない。
それでも「友達を探す」に新味を感じるのは、ソーシャル的な要素が持ち込まれたためだろう。“友達”となった相手の位置情報を得るだけでなく、“友達”側にも自分の位置情報を与える。さらにその“友達”も、自分が知らない人物を新たに“友達”(“友達”の“友達”)として登録するだろうから、関係は1対1や1対多にはとどまらない。foursquareやFacebook(のチェックイン機能)など、ソーシャル型位置情報サービスは珍しくはない時代だが、その分野にアップルがiCloudを通じて参入したことは興味深い。
もっとも、チェックインした土地の情報を共有するfoursquareやFacebookとは異なり、「友達を探す」では機能をオフにしないかぎり自宅の位置までフォロワーに知られてしまう。“本当の友達”でなければ怖くて使えないという点では、ソーシャルサービスとしての汎用性には難ありかもしれない。
foursquare | |||
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価格 | 無料 | 作者 | foursquare |
バージョン | 4.0.2 | ファイル容量 | 6.2MB |
カテゴリー | ソーシャルネットワーキング | ユーザーの評価 | (3.0) |
対応デバイス | 全機種 | 対応OS | iOS 4.0以降 |
価格 | 無料 | 作者 | |
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バージョン | 4.0.2 | ファイル容量 | 9.5MB |
カテゴリー | ソーシャルネットワーキング | ユーザーの評価 | (3.0) |
対応デバイス | 全機種 | 対応OS | iOS 4.0以降 |
「友達を探す」を試す
「友達を探す」の利用には、iCloudアカウントが必要だ。サインイン後、「すべて」タブから友達を招待すると、相手に「位置情報のフォローを希望中」というメッセージが送信され、受け入れてもらうと“友達”となる。いったん“友達”になれば、相手に削除されるか一時的に位置情報の送出を禁止(「フォロワーから隠す」スイッチをON)されないかぎり、いつでも相手の位置を知ることができる。
セキュリティは気になるところだが、位置情報の取得には相手の承認を必要とするうえ、iCloudユーザー限定とすることで、悪意のある第三者による利用をある程度予防できると考えられる(iCloudアカウントの取得には住所/氏名やクレジットカードの情報が必要)。なお、一定時間利用しない状態が続くと自動的にサインアウト処理が行なわれ、再び利用するときにはパスワードの入力を求められる。
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