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最新パーツ性能チェック 第116回

PLEXTOR製SSD「PX-M2P」が速度低下しないのは本当か?

2011年10月31日 12時00分更新

文● 藤田 忠

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PX-M2Pシリーズは長期間使っても
性能が劣化しない!?

 製品と一緒に貸してもらったPLEXTORの製品資料を斜め読みしているときに、非常に気になるベンチ結果と記載を発見した。スペックや独自機能の説明はともかく、資料記載のベンチマーク結果は、どうしてもメーカー寄りなのでほとんど気にしないのだが、ちょっと内容が衝撃的だった。とくに、検証に使われているSSD(資料上は一部しか伏せ字になっていなかったので、ひと目でわかってしまった……)と同じVertex3シリーズを普段使用している身としては!
 検証内容は、クリーン状態とデータをランダム書き込みしたあとでの読み書き速度を計測、比較するといった内容で、SSDを長期使用した場合の性能劣化を具合を想定したテストだ。使っているうちに性能が落ちるのはSSDの宿命ともいえるが、検証内その落ち幅がハンパないのだ……。さすがに資料ほどは落ちないだろうというか、落ちないで欲しいと思いつつ、実際に試してみた。

PLEXTORのPX-M2Pシリーズには、長時間の使用後もパフォーマンスの低下を抑制する技術「Plextor True Speed Technology」が採用されている

 OSやアプリケーションなどをPX-128M2PとVTX3-25SAT3-120Gにインストールして、実際の使用状態を構築。速度計測やストレージ負荷テストが行なえる「Iometer」を使って、空き容量に1時間の4KBデータのランダム書き込みを2回実行した。その後、CrystalDiskMarkのランダムデータで計測を実施した結果が下記のスクリーンショットだ。

PX-128M2Pテスト結果

Iometerによる4KBランダム書き込みを行なう前の状態。42GBほど、OSやアプリケーションで使用している

1時間の書き込みを2回実行したあとに、CrystalDiskMarkのランダムデータで計測。速度の劣化は見られない

VTX3-25SAT3-120Gテスト結果

検証を行なう前の計測結果。シーケンシャル/ランダム書き込みともに170MB/s前後になっている

検証後は値にバラツキが出た。読み込み速度に差はないが、書き込み速度はとんでもないことに……

テストPCを再起動することで、若干速度は回復したが、検証前より30MB/s前後低下した状態になってしまった。なお、All 0x00(0 Fill)による計測には影響が出なかった

 Iometerでのランダム書き込みを行なう前と比べて、PX-128M2Pは読み書き速度の低下は見られなかったが、VTX3-25SAT3-120Gは書き込み速度が大きくダウンし、シーケンシャル/ランダム書き込みの一部項目はHDD並みの値になってしまった。
 もちろん、すべてのメーカーのSSDで試したわけではなく、メーカー独自の速度低下を防止する機能やファームウェアーで変わる可能性もあるが、Voetex 3と同じSandForce製SF-2281コントローラーチップを採用しているSSDは、同じ傾向になる可能性はある。

トータルバランスの優れたイチオシSSD!

 大量のデータ書き込みを行なっても購入時と同じ速度を保つWindows7のTRIMコマンド的機能となるInstant Restoreや長い間使い続けても性能を低下させず、一貫したパフォーマンスを提供するPlextor True Speed TechnologyといったPLEXTOR独自の機能、技術とサーバーグレードのMarvell製コントローラーチップ、大容量のキャッシュが組み合わさることで、高速なシステムドライブとして使えるSSDに仕上がっている。
 PX-M2Pシリーズは、システム用に高速なSSD、データ用にHDDといった構成のマシンはもちろん、書き込み速度も重要となる省スペースPCやノートPCなどのストレージデバイスを1台しか搭載できないマシンにもオススメできるSSDといえるだろう。

長い間使い続けても性能を低下させず、一貫したパフォーマンスを提供する点を高く評価したい。サーバグレードのMarvell製コントローラーと大容量のキャッシュの組み合わせで、高速なシステムドライブとして活躍するSSDといえる

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