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最新パーツ性能チェック 第116回

PLEXTOR製SSD「PX-M2P」が速度低下しないのは本当か?

2011年10月31日 12時00分更新

文● 藤田 忠

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実測はほぼ公称値と同じ結果のPX-M2Pシリーズ

 なんのデータも書き込んでいないクリーン状態でPX-128M2PとPX-256M2Pを計測してみたが、CrystalDiskMarkとATTO Disk Benchmarkともに、ほぼ公称値通りの結果になっている。
 ランダム、0 Fill、1 Fillのどのデータパターンを使った計測でも、読み書き速度にほぼ差異がなく、一貫したパフォーマンスを発揮しているのに注目してほしい。
 さらに特筆なのが、AHCIのNCQ機能を使ったランダム読み書きの性能となる「4KQD32」のテスト結果で、ともに300MB/s近い非常に高速な値を出している。最速ではないが、総合的な読み書き性能は、非常に優秀といえる結果になっている。

PX-128M2Pテスト結果

CrystalDiskMarkのランダムテストデータでの計測結果。シーケンシャル/ランダム読み込みともに公称値よりダウンしてるが、十分高速。書き込み性能はほぼ公称値通りだ

All 0x00(0 Fill)テスト時の結果。10MB/s前後だが、一部の値がランダムテストデータ時より向上している

All 0xFF(1 Fill)テスト時は、All 0x00(0 Fill)と同じ傾向になる

「ATTO Disk Benchmark」での計測結果。256KB以上のシーケンシャル読み込みは500MB/sを越える値になっている

PX-256M2Pテスト結果

CrystalDiskMarkのランダムテストデータでの計測結果。読み込みについては、すべての計測項目でPX-128M2Pと誤差の範囲だ。書き込みは公称値より若干ダウン

All 0x00(0 Fill)テスト時の結果は、ランダム時とほぼ同じで、安定した読み書き速度を発揮している

All 0xFF(1 Fill)テスト時。誤差の範囲の違いしか出ていない

ATTO Disk Benchmarkでの計測結果。256KB以上は、読み書きともに公称値と同じ値を出している

人気のSandForce製コントローラー搭載SSDでは?

 ちなみに、比較として計測した筆者のゲーミングマシンに使っている最速クラスのOCZ「Vertex3」(120GBモデル)は、公称最大読み書き速度が500MB/sオーバーとなるが、ランダムデータだと書き込み速度は公称値を大きく下回ってしまう。

Vertex3テスト結果

Vertex3の120GBモデル「VTX3-25SAT3-120G」をCrystalDiskMarkのランダムテストデータで計測。公称値からは、300MB/s以上ダウンしている

All 0x00(0 Fill)に設定して、テストすると最速SSDの名に恥じない爆速の書き込み性能を発揮する

このランダムデータの速度が、シーケンシャルデータによる計測時より下がるのは、データ圧縮処理などを行なうコントロールチップにSandForce製「SF-2281」を採用する製品の多くで起こる可能性があるので要注意だ。
 といっても、基本的に読み書き速度はスペックシートの最大読み書き速度(公称値)やメーカーによる実ベンチマーク結果を参考にするしかないので、テストデータの違いで転送速度が大きく変わるのはちょっと困りもの。むろん、両方の計測結果を出しているメーカも多いが、非常にわかりづらい。そういう点からいうと公称値はもちろん、テストデータの違いによる差が、ほぼないPX-M2Pシリーズは、ユーザーの期待を裏切らない優秀なSSDといっても良いだろう。

徹底した品質管理がブランド力を高める

 SSDといえば読み書き時のパフォーマンスだが、PLEXTOR製SSDは品質などの点もウリのポイントが多い。そのひとつが、全品に行なわれる60℃の高温状態での22.5時間エージング(老朽化テスト)で、すべてのメモリーセルの安定動作も確認されているという。また、ファームウェアの定期的な更新もうたわれているのもポイントだ。

抜き出しテストでなく、全品に対して独自のストレステストを実施。3年間の保証と相まって超安心だ

PLEXTOR製SSDは自社工場で生産。各種チップをプリント基板に実装する表面実装機から、次々SSDが生産される

PLEXTORのSSDは、専用室で22.5時間、60℃の高温で老朽化テストを行ない、すべてのNANDセルが安定していることを確認している

ネットワークサーバーを介して、高温環境で数百台のSSDにテストコマンドを一斉送信して、不都合かないかチェックする。SSDの信頼性を確証するために、製造過程のどの過程においてもストレステストを実施できる

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