上面と背面をステンレスケースではさむサンドイッチ構造はごく一般的だが、正六角形をした上下のステンレスケースはダイナミックなカットがされインパクトの強いデザインに仕上がっている。背面はお約束のスケルトン構造で、内部にはRSWと誇らしげに描かれた重量感のある半円形の回転錘(ローター)がグルングルンと力強く回る姿が見える。
かなり重量感のあるNAZCAは、革ベルトにも関わらず実測は138gだった。これは、ごく普通のSwatchの5倍以上もあり、最も重量的に近いのはロレックスのデイトナ・ホワイトゴールド革ベルトモデルだった。すでに、いくつかのクロノグラフを保有しているが、筆者の生活範囲では、その効果的使途が見つからず、ラーメンタイマーにも使ったことは無い。今回のNAZCAもそれは同様だ。
防水処理された厚手のベルトはバタフライ式のバックルで、簡単に着脱でき、腕へのホールド感も快適だ。NAZCAの最大の売りは、一般的な腕時計では最も特徴の出しにくいなんでもないリューズ部分にフォーカスをあて、普段は見えにくいその特殊な構造を大きく露出したことだ。
「腕時計はゼンマイを巻く」。ただそれだけの当たり前のことをNAZCAは、正直にそのまま、構造に反映し、表現した腕時計だ。外観からは、少し変わったリューズだと気がついても、実際につまみを引き出し、ゼンマイを巻く動作を見るまで、その構造を理解できる人は多くはないだろう。
竿に取り付けたリールを巻く動作に似た、NAZCAのゼンマイを巻く格好を見た熱いフィッシングファンなら、いきなり心を大きく動かされるだろう。特殊な構造のリューズが無ければごく普通のクロノグラフであるNAZCAは、”ウケるゼンマイ腕時計”として、大人の感性が創った「チープな意外性」を実現している。チープな意外性を実現する対価が高いか安いか、それは人それぞれだろう。
今回の衝動買い
アイテム:RSW「NAZCA」
価格:29万8000円(六本木ヒルズ・BALSにて購入)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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