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ケータイサイトの特徴とビジネスモデル

2012年01月19日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 ケータイサイトには、キャリアの企画審査を通って承認された「公式サイト」と、それ以外の俗に「勝手サイト」と呼ばれるサイトの2つがあります。ケータイサイトを企画・制作するときは、最初に公式サイト、勝手サイトのどちらにするかを検討します。

公式サイトと勝手サイトの特徴

 公式サイトはキャリアの公式メニューからリンクされ、公式サイト内検索の上位表示も期待できます。ほかにもケータイアプリの配布や、キャリアによる課金回収代行ができるといった多くのメリットがあります。

 しかし、公開前にキャリアに承認されなくてはならず、各キャリアの審査基準も異なるので、企画段階から綿密な計画を立てなければなりません。そのため、キャリアごとに細かく異なる仕様や要件に合わせて制作する必要があります。ドコモ、au、ソフトバンクすべてに対応する公式サイトを制作する場合、全キャリアから承認を得られる企画・設計が求められます。

 勝手サイトはキャリアの公式メニューからのリンクや課金回収代行のような機能は利用できません。しかし、キャリアの承認が不要なため自由度が高く、スピーディーに新サイトを立ち上げられます。企画がキャリアの審査を通らなくても、勝手サイトであれば制約はなく自由に公開・運営できるのが、最大のメリットです。一方で、サイトの認知や集客の導線経路をすべて自前で用意しなければならないため、広告・広報戦略も併せて立てる必要があります。

ビジネスモデル

 キャリアによる課金回収代行が利用できる公式サイトのビジネスモデルは、ユーザーへの直接課金モデルのサイト運営に適しています。具体的には、着メロ・着うた、コミック、ゲームといったコンテンツサイトです。なお、着メロ・着うたは公式サイトに認定されないとそもそもサービスを提供できません。

 勝手サイトは直接課金モデルの構築が難しく、これまで広告モデルが中心と認識されてきました。しかし、Amazon.co.jpや楽天市場のように、PCサイトとの連動性の高い通販サイトの出現で変わってきました。PCサイトで会員登録したユーザーが外出時の移動時間中にケータイサイトから商品を購入するといった消費行動をとるようになったからです。PCサイトで培った信頼感と知名度を活かし、高い売り上げをケータイサイトで上げている通販サイトも多く見受けられます。

 公式・勝手サイトのメリット・デメリットを理解し、コンテンツ配信なら公式サイト、プロモーションや通販なら勝手サイトというように、内容やビジネスモデルを吟味して、より適している方を選択しましょう。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。。

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