長時間使い続けられる
こうした電源障害時の強い味方となるUPSだが、デスクトップパソコンの消費電力はかなり高いため、そのままでは数分~数十分しかバッテリーが持たない。
それでは短すぎると思う読者もいるかもしれないが、一般的なUPSは、機器の破損を防ぐことが主目的。データをセーブして、安全にパソコンをシャットダウンするための時間を稼いだり、雷による機器の破損(サージ)を防げればそれでOKという考え方である。
しかし、UPSを導入する目的は昔のようにパソコンデータの保護だけではないという人も増えている。いつの間にか一般家庭にはHDDを搭載する機器が増えているからだ。 BD/DVDレコーダーはもちろん、レコーダー内蔵の大型テレビ、そして「プレイステーション 3」や「Xbox 360」といったゲーム機にもHDDが搭載されている。パソコンであれば、作業を中断してシャットダウンすれば済むかもしれないが、録画中、ゲーム中となるともう少し長い時間、バックアップしてくれたほうがいいと感じるかもしれない。
そんな中登場した「APC Smart-UPS XL 500」は拡張バッテリーパックを最大10個まで搭載可能。スペック上は500VA(VAは電圧×アンペア)の電力を最大958分(≒16時間!)供給できる、通常のUPSを超えたUPSとも言うべき存在だ。
通常のUPSには対応できない使い方も、APC Smart-UPS XL 500であれば可能だ。
パソコンだけではなく、HDDレコーダーなども守れる
APC Smart-UPS XL 500は、商用電源と同じ正弦波を出力できるのが特徴で、PCや外付けHDD、テレビ、ブルーレイレコーダーなどのデジタル機器に加え、蛍光灯、扇風機などにも対応。エアコンや冷蔵庫、医療機器などには対応しないものの、家庭にある幅広い製品の電源バックアップに使える(最大容量500ワットまで)。
APC Smart-UPS XL 500の対応機器 | |
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携帯充電機 | ○ |
DVDレコーダー | ○ |
BDレコーダー | ○ |
液晶テレビ | ○ |
デスクトップPC | ○ |
LED照明 | ○ |
蛍光灯 | ○ |
扇風機 | ○ |
レーザープリンター | × |
冷蔵庫 | × |
エアコン | × |
医療機器 | × |
価格も本体のみで7万7000円。拡張バッテリーパック(SUA24XLBP)が1個あたり5万4200円とリーズナブル(価格は編集部調べ)だ。
バッテリーはホットスワップ対応で、システムを止めずに手軽にバッテリー交換が可能となっている。また、自動電圧調整(AVR)機能も持ち、電源環境が不安定な場合でも、本体のバッテリーを使用せずに自動的に適正な出力が得られるよう調整する(76~83Vで24%、83~92Vで10%昇圧、108~119Vで12%降圧)。
本体は幅216×奥行き439×高さ170mmで、重量は25kg。本体2年間、バッテリー6ヵ月間の保証が付く。
Smart-UPSシリーズは、世界で1000万台を超える導入実績をもつ製品。データセンターやサーバーなどのバックアップで幅広い実績がある。
今回の製品は拡張バッテリーと組み合わせることで、小容量で長時間バックアップ可能なモデルとした点が特徴。上述したように、必要な容量だけをリーズナブルな価格で手に入れられるので、個人でも導入しやすい。パソコンはもちろん、停電中も照明や液晶テレビを使い続けたいと言う人は要チェックの製品だろう。