安全にも配慮したメカニズム
さらに安全性に配慮して、これとは別系統で安全プロセッサーなるものも搭載している。このプロセッサーは、アクセルペダルの位置と実際のモーターの挙動を監視して、もし不整合があった場合は「内部のシステムに問題あり」としてシステムを停止させるという。設計思想のところどころに、シリコンバレーらしさが見えるのは俺だけ?
パワージェネレーターのモーターは、インバーターユニット下にレイアウトされ、三相交流モーターを使っている。これこそニコラ・テスラが100年以上も前に発明・特許を取得し、今でも幅広く工業用から家庭にある掃除機や扇風機のモーターとして使われているモノ。Roadsterに載っているモーターは、それを化け物みたいに強化したバージョンだ。なお、モーターとインバーターの冷却は、本国のエンジニアに尋ねたところ、リアにも2台のファンを持っており、これで空気冷却をしているということだ。
そのパワーたるや0~5100rpmで40.7N・mのトルクを絞り出す。加速テストであの数値を叩き出したのは、このモーターのおかげだ。最高出力は4400~6000rpmで288HP(イギリス馬力:ポンドヤード単位系)。日本で通常使われているフランス馬力(MKS単位系)に換算すると292PSということになる。ほぼ300PS(馬力)と考えれば、初音ミクZ4でおなじみのSUPER GT GT300クラスに迫るエンジン(モーター)を搭載していると言っていいだろう。
最大回転数は1万4000rpm(ってバイクかよ!)で、最高速度は時速201kmということだ。
さて、ここまではリア周りを見てきたが、フロント側はどうなっているのだろうか?
12Vの鉛蓄電池が見えないので、フロントに取り回している高電圧ケーブルは、降圧して電装系の12Vに使っているように見える。またラジエーターは、バッテリーの水冷用となっている。
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