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痛車乗りは電気自動車の夢を見るか? 第3回

EV界のスーパーウェポン

ジェットコースターの加速! スーパーEV・TESLAを体験

2011年10月25日 12時00分更新

文● 藤山哲人 ●車両協力/TESLAジャパン、高木多佳雄氏

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安全にも配慮したメカニズム

 さらに安全性に配慮して、これとは別系統で安全プロセッサーなるものも搭載している。このプロセッサーは、アクセルペダルの位置と実際のモーターの挙動を監視して、もし不整合があった場合は「内部のシステムに問題あり」としてシステムを停止させるという。設計思想のところどころに、シリコンバレーらしさが見えるのは俺だけ?

赤い部分がモーターユニット

実際のモーター。写真で見る限り、高圧ケーブルとセンサー(温度?)の信号線のみのようだ

モーターの回転子。回転するのはこの部分で、これを覆うようにコイルが巻かれ三相交流モーターになる

 パワージェネレーターのモーターは、インバーターユニット下にレイアウトされ、三相交流モーターを使っている。これこそニコラ・テスラが100年以上も前に発明・特許を取得し、今でも幅広く工業用から家庭にある掃除機や扇風機のモーターとして使われているモノ。Roadsterに載っているモーターは、それを化け物みたいに強化したバージョンだ。なお、モーターとインバーターの冷却は、本国のエンジニアに尋ねたところ、リアにも2台のファンを持っており、これで空気冷却をしているということだ。

横軸は回転数(rpm)を表し、縦軸はトルク(ポンド・フィート)を示している。赤いRoadsterの線は、0~5000rpmまでいきなり最大トルクをマークしている。その下の黒い線は、高性能エンジンのトルク。下ではトルクが出せず、5000prm辺りからようやくトルクを稼げる。いちばんヘナチョコなのは、コンパクトカー。6000rpmをちょい越した辺りで瞬間的に最大トルクが出る

 そのパワーたるや0~5100rpmで40.7N・mのトルクを絞り出す。加速テストであの数値を叩き出したのは、このモーターのおかげだ。最高出力は4400~6000rpmで288HP(イギリス馬力:ポンドヤード単位系)。日本で通常使われているフランス馬力(MKS単位系)に換算すると292PSということになる。ほぼ300PS(馬力)と考えれば、初音ミクZ4でおなじみのSUPER GT GT300クラスに迫るエンジン(モーター)を搭載していると言っていいだろう。

 最大回転数は1万4000rpm(ってバイクかよ!)で、最高速度は時速201kmということだ。

 さて、ここまではリア周りを見てきたが、フロント側はどうなっているのだろうか?

オレンジの高圧配線がフロントにも回っている

フロントのエアインテーク下には、大型のラジエーターを装備

 12Vの鉛蓄電池が見えないので、フロントに取り回している高電圧ケーブルは、降圧して電装系の12Vに使っているように見える。またラジエーターは、バッテリーの水冷用となっている。

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