デジコンエキスポ「これは見るべき」ベスト5！
さてお待ちかね、デジタルコンテンツEXPOの展示内容だ。短い時間ではあったが記者もエキスポを楽しんできた。「やばい！ これすごい！」と思わず叫んでしまった展示の中からベスト5を選んでみよう。
その1 もう来年には売れるレベルの立体映像技術
まずはなんといってもBurton社と慶應義塾大学の共同開発による立体映像ディスプレイ「SRV-5000」（True 3D Display）。レーザーの光点を使い、何もないところに立体映像が出せるという、ガチすぎる技術だ。恐るべきことにもう来年には“売れる”レベルで、デジタルサイネージ（看板）などに使われるらしい。
今は緑色レーザーだけを使っているが、近いうちに赤青緑の三原色レーザーも実現可能という。現在は解像度（光点の数）を向上させ、いらない光線を除去している段階。3Dで誰かと電話するような夢の通信技術に活かされるのは5年後くらいと予想されている。ドラえもんの世界にまた一歩近づいていきそうだ。
Burtonと慶應義塾大学の共同開発による「SRV-5000」
その2 光ったり動いたりするベイブレードだ！
次は国立大学法人電気通信大学・小池研究室の「インタラクティブトップ」。コマを回すと、テーブルの上で光の演出がバチバチバチーッとアクションする。コントローラーのようなモノを上にかざすとコマの回転速度が上がる。コマ同士がぶつかるとコントローラーにも衝撃が伝わってくる。これがめちゃくちゃ面白い。早くゲーセンに入ってほしい。本気だ。
仕組みとしてはまず、テーブルには偏光板を使用している。これでコマから出る赤外線により回転数を検出し、画面に反映している。コマにはブラシレスモーターを使用し、コントローラー部にスピードコントローラー（ESC）を仕込んでいる。なお磁石にはネオジム磁石が使われている。単純なようで技術の粋が集められていると思うとますます熱い。
国立大学法人電気通信大学・小池研究室 インタラクティブトップ
その3 モグラみたいにポコポコ出るステップシーケンサー
続いては首都大学東京 IDEEA Lab.の「PocoPoco」（ポコポコ）。名前の通り、4×4のブロックがポコポコ出てきて音を出す、かわいいステップシーケンサーだ。ブロックをタッチすると音のオン・オフが切り換えられる。できることはヤマハ「テノリオン」とほとんど同じだが、ポコポコ出てくるのが単純にものすごく楽しい。
面白かったのは、メイン／サブ／キックが3機に分かれて同期していたこと。テノリオンの16×16シーケンサーは楽しいが、やっぱりまだ敷居が高い。16種類のリズムパターンと音色を変えるだけならすごく簡単だし、合奏の楽しさもある。これが2万円以下で出たら即買っちゃうのになー、と本気で思った。
首都大学東京 IDEEA Lab. PocoPoco
その4 洋ナシの形にできる革命的な折り紙
お次はちょっと珍しく、電気の通わない技術。筑波大学システム情報工学研究科 非数値処理アルゴリズム研究室による「Spherical Origami」だ。パソコンのソフトを使って折り方を構成する“3D折り紙”。曲線を使い、洋ナシのようなやわらかい形も折ることができる。しかも“1枚折り”にこだわっている。すごい。会場では折り方も教えてくれるので、ぜひぜひ折ってみてほしい。
筑波大学システム情報工学研究科 非数値処理アルゴリズム研究室 Spherical Origami
その5 ダメージが指先に「ドン！」ってくるタッチペン
ラストはマイクロソフトがKinectを応用して開発している新しい技術。ニンテンドー3DSに表示された恐竜をペンでタッチすると、Kinectがセンスして“恐竜の骨”が表示される。そして恐竜がグワォオオオと吠えると、タッチペンがバシッ！ とはじかれる。思わず「うじゃわー！」と意味不明な声をあげてしまった。これはタッチペンに磁石が仕込まれていて、その反発を使った仕組みになっている。単純だが衝撃はデカい。
日本マイクロソフト Kinectを応用した技術
最後のマイクロソフトもそうなのだが、こういう技術があると知ってはいても、実際に遊んでみるとやっぱり衝撃が違う。技術というのは本当に体験してみないと分からない。絵画や名所旧跡みたいなものだ。人気の展示はちょっと並ぶかもしれないが、気になったら絶対並んでみたほうがいい。後悔はしないはずだと、経験からそう約束する。
