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週刊 PC&周辺機器レビュー 第120回

メディアサーバー機能重視の高速家庭向けNAS HDL2-A

2011年10月21日 12時00分更新

文● 池田圭一

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 HDDを取り出したついでに内部を覗いてみると、本体最下部にマザーボードが見える。中央に見える正方形で銀色のチップがCPUで、刻印を確認するとMarvell社のARM互換プロセッサーを内蔵した「ARMADA 300」(88F6282、1.6GHz版)が使われていた。

本体底部のマザーボード(左)。中央に見える正方形のチップがARMADA 300。本体の外装はプラスチック製だが、内部には金属シャーシがある

 ARMADA 300は超小型コンピューターや、家庭内のメディアサーバーなどにも搭載される統合チップとして定評がある。他社の高速NASでも採用事例があるものだ。HDL2-Aシリーズが高速性を謳うのは、ARMADA 300を搭載したことによると考えていいだろう。なお、読み出し時のデータ転送速度はRAID0で約100MB/秒以上、RAID1で約74MB/秒とされている。

 付属の小型ACアダプターとLANケーブルを接続して、側面の電源スイッチを押す。する内蔵OSが起動して、各種サービスが立ち上がるのに少々時間がかかる。5分ほど待つと短いブザー音が鳴って、準備完了となる。シャットダウンは20秒もかからないが、起動時間の長さを考えると、省電力モードを併用するなどして電源は入れっぱなしで運用するのがよさそうだ。ちなみにスペック表によると、消費電力は最大48W、平均23Wとなっている。

省電力モードにより、アクセスがない状態で一定時間が経過後、内蔵HDDとUSBへの電力供給を制限。残念ながら任意の日時に動かすというスケジュール機能はない

機能満載! これぞ多機能NAS

 HDL2-Aは出荷時設定でRAID0モードで動作しており、「disk」「contents」「iTunes」の3つの共有フォルダーが設定されている。Windows 7ならば、LANにつないでしばらくすると、エクスプローラーにネットワークデバイスとして表示されるので、LAN DISKアイコンをクリックするとウェブブラウザーで設定を変更できる。

ウェブブラウザーで設定画面を開く。「はじめて設定」では名称、IPアドレス(出荷時はDHCPから取得)設定などを行なう。管理者パスワード設定もしておくべき

 詳細設定は、ウェブブラウザー内の表示項目の多さからか、パソコンからの操作が前提となっている。共有フォルダーやユーザー/グループ設定に続いて、利用するサービスの設定などを行なう。

共有フォルダー単位で、各種サーバーサービスの有効/無効を指定できる。なお、ユーザー権限は「読み取りのみ」「読み書き許可」の2種

 HDL2-Aには、実に多彩なサービスが搭載されている。主なものだけでも、LAN内に写真/音楽/動画をストリーミング配信可能なDLNAサーバーやiTunesサーバーのほか、インターネット経由での外部からのアクセスが可能な「リモートリンク2」、BitTorrentやアップルのバックアップシステムTimeMachineとの連携、さらにデジタル放送番組録画やスカパー!HD録画のムーブ(DTCP-IPムーブ)機能まで搭載している。

各種サーバーサービスの設定、DLNAやiTunesサーバーなどは出荷時状態で起動しており、どの共有フォルダーに対して有効にするかを決める

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