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Android端末にも込められた、レノボのこだわりを知る

なぜThinkPad Tabletが使いやすいのか?

2011年10月21日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ
写真●篠原孝志(パシャ)、加筆●ASCII.jp編集部

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ポイント4 急速充電など、オプションにも使いやすさのノウハウ

 オプションのキーボードは、キーストロークが1.5mmと歴代のThinkPadにはないショートストローク。ただし、フィーリングに関してはThinkPadクオリティーを体現すべく、静かで安定したタイピングが可能だ。特にキートップのぶれがなく、表面をなでた際にもカタカタと不安定に動いたりしない。

オプションのキーボード開発にも妥協せず取り組んだという。ポインティングデバイスはトラックポイントではなく光学式

 ポインティングデバイスは、TrackPointではなく光学デバイス(レーザーマウスを逆にしたと考えるとイメージが近い)だが、中央には赤いハイライトを用意して、ThinkPadらしさを出している。

 タブレットPCに欠かせない周辺機器といえば、正確なポインティングを可能にするデバイスだ。本製品にはマルチタッチパネルを採用しているため、素手での操作が可能だが、付属の電磁誘導式タッチペンにより、筆圧感度は256段階という精密さでインターフェースやアプリを操作することが可能だ。OSに搭載している文字認識ツールの使い勝手は良く、走り書きをしても見事に認識してくれた。

ペンは本体のスロットに収納できる

 付属のボタン類の操作性も良好だ。本体下部にあるボタン類は、本体を縦方向にした場合、ボタンの半分から下を押しても反応せず、上部を押すことになる。このおかげで、タブレットPCの手前側を自信の腹や胸に押し当てて安定させたい場合、誤ってボタンを押してしまうことがなかった。

付属の充電アダプター

 最後に専用ドックについて。充電だけでなく、USBポートの拡張やオーディオ端子も備えており、持ち帰って机の上でThinkPad Tabletをセットすれば、デスクトップに近い雰囲気で使える。ここはすぐ気付く特徴だ。

ビジネス効率とは直接関係しないかもしれないが、バッグなど小物類のデザインも洒落ている

シガーソケットなどで使えるDC-DCアダプターも用意する

ヘッドホンも赤と黒のThinkPadカラーを採用。実は右耳と左耳で色が赤と黒に色分けされている。ThinkPadのIDを保ちつつ、左右がすぐ分かると言うユーザビリティーも確保している点には脱帽

 しかしこだわりはそれ以外にもある。充電用のACアダプターは手持ちのThinkPadのものが共用でき、かつ急速充電にも対応するという点だ。ThinkPad Tabletは、通常5VのUSB充電だが、ACアダプター経由で充電すると3~4倍の速度でチャージが可能になる。

 外出先や会議室などで使ったあと、ドックにセット。離席中に来たメールなどを何となくチェックしているうちに、次に持ち出す際に必要なバッテリーが蓄えられる。時間のかかるUSB充電では、こうした機動性を損なってしまいがちだ。この1点からでも、ThinkPad Tabletが誰でも作れるタブレットではなく、本当に役立つタブレットを考えて設計されたということが分かる。

 次回はAndroid OSである本製品をWindowsネットワーク内で使う場合の利便性とセキュリティを見ていきたい。

今回試用している「ThinkPad Tablet」の主なスペック
CPU Tegra2(1.0GHz)
メモリー 1GB
グラフィックス オンボード
ストレージ フラッシュメモリ 32GB
インターフェース USB2.0×1、MiniHDMI出力、メディアカードリーダーなど
サイズ 幅260.4×高さ14.5×奥行き181.7mm
重量 約759g
OS Android 3.1
直販価格 6万5940円

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