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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第37回

ソニーが完全子会社化? Androidで勝ち組目指すソニエリ

2011年10月19日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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今度は信憑性が高いウワサ?
ソニーがSony Ericssonを完全子会社化

 さて、Sony Ericssonは名前のとおり、ソニーとスウェーデンのEricssonが50%ずつ出資する合弁会社だが、スタートして10年目にして、ソニーがEricssonから株式を取得して完全子会社化するというウワサが浮上している。実は以前にも出た話なのだが、契約更新時期でもあるためか再燃したようだ。だが、今回は交渉に入っているとか、特許関係で難航しているなどの具体的な報道も多く、信憑性が高そうだ。

ソニー本体がAndroidタブレットに取り組んでいる中、スマートフォンだけは合弁の形で続けるのだろうか?

 ソニーのデジタル/メディア戦略からみると、すでにゲーム機やPCに加え、先日発表したタブレット、そしてサービスとコンテンツを持ち、ここで手に入れたいのがスマートフォンとなる。2月のMobile World Congressでも、Sony Ericssonの担当者は自社のAndroid戦略において「ソニーの存在が差別化になる」としていた。

 同社はこれまで、「Walkman」「Cyber-shot」ブランドをつけた携帯電話を投入済みだが、クラウド、コンテンツなどの垂直統合にあたって子会社化により密な統合が可能になるし、意思決定のスピードも速くなる(と期待できる)。

 リスクは、このシナリオどおりにいかなかった場合だ。北米市場はもちろん、プレゼンスのあるアジア市場でも、HuaweiやZTEなどの中国ベンダーが価格面で優れたAndroidスマートフォンを開発しており、ミッドレンジに忍び寄っている。Huaweiは中国でユーザー向けのクラウドサービスも持つ。これらのベンダーとの戦いも視野に入れておく必要がある。動きの激しいスマートフォン業界だけに、残された時間は思ったよりも短いように見える。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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