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高速起動とフィーリング、上質を体現した1台

Acerのウルトラブック「Aspire S3」を触った

2011年11月02日 12時43分更新

文● 小林 久/ASCII.jp編集部

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PCメーカーだから妥協しない周辺機能とスペック

 Aspire S3が持つのはミニマムなインターフェースだが、実は周辺機能に関しても相当に吟味したとチャン氏はいう。USB以外の拡張性は基本的になくす一方で、無線では最新規格のBluetooth 4.0をいち早く搭載した。

側面から見るとその薄さに驚かされるAspire S3

 高速かつ低消費電力化が可能で、AESによる暗号化もサポートする。まだ、採用例は少ないが、ここはPCメーカーだからこそこだわりたいと感じた部分だそうだ。

 またDolby Home Theater 4.0を採用し、音にもこだわる。Dolby Home Theaterは他社と比べて早くから搭載しているエイサーだが、ここも譲れないと考えたようだ。

 最後にスペック面では、HDDモデルを用意している点に注目しておきたい。SSDの快適性はもはや言うまでもないが、高性能でスタイリッシュなノートを多くの人に届けると言う意味で、さらに低価格なモデルを用意したいと思ったという。

 上に述べたように下位モデルはCore i3搭載で9万円台。上位モデルの256GB SSDに対して、320GBのHDDを搭載する。バッテリー寿命は6時間と1時間ほど減るが、ウルトラブックとしての基本的な特徴は変わらない。取材時点での正確な数字は公表されていなかったが、ともに重量は1.4kg未満になる。SSDとHDDモデルの重量差は20~30g程度とわずかだという。

持ち運びたくなるデザインと、使いたくなるフィーリングをバランスよく持つ

 このようにPCメーカーならではの使いやすいスペック選択と操作感、そして新しいウルトラブックというカテゴリーをユーザーに印象付ける美しいフォルムを備えたのがAspire S3だ。シンプルで、落ち着いた上質感がある。「他社に先駆けたが、完成度は譲らない」とチャン氏も話す。

細部のつくりは非常に上質。キーボードのサイズ・打ちやすさも十分に確保しており好感が持てる

 現状では13型ワイドのモデルを中心に展開しているが、バリエーションに関してもいくつか計画があるようだ。最薄という点では東芝に譲ったAspire S3だが、そのぶんキーボードの打ち心地などにはこだわり、すぐONスタイルと同社が呼ぶ、復帰の速さもアピールする。

 開発に際しては、熱設計、軽さ、薄さのバランスを取ることに苦慮した。天板は他モデルに対して、強度を保ちつつ10%ぐらい薄くなっているというが、単純な薄さよりも満足いく性能を優先した面もある。

 なお、スリープモードに関しては上述のように通常のSleepとDeep Sleepの2つがあり、どのモードに入るかはユーザーが選べない。ただし切り替え時間をユーティリティー上で選択することが可能で、120分と480分の2つが切り替えられる。

 チャン氏は「通常利用はスリープが長いほうがいい」とするが、Deep Sleepからの復帰は時間がかかるので、快適にパソコンに復帰できるようにするなら、こうした設定にもこだわってほしい」と話す。

 ぜい肉をそぎ落としたような、引き締まったフォルムを持つAspire S3だが、実際に使用すると、タッチパッドなどは大きく中々快適。動作音も静かで、不快な発熱もあまり感じることがない。金属製の筐体は、少し暗めのシルバーとなっており、ビジネス用途などでも違和感なく取り出せそうで、大人のモバイルノートという雰囲気。こちらも好印象である。

 ウルトラブックは各社から登場するが、その中でも気になる存在のひとつである。個人的にもじっくりと試してみたいと感じているが、読者も店頭などで触れる機会があれば、記事で取り上げたような日本エイサーのこだわりをぜひとも体験してほしい。

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