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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第86回

iPhone 4Sと上手につきあう技

2011年10月18日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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au版とソフトバンク版のどちらを選ぶべきか

 auとソフトバンクのどちらにするかも悩みどころだろう。よく質問されるところだが、筆者がソフトバンク版を購入したと答えると100%「何で?」と聞かれる。自分としては、お笑い芸人と同じく、致命的な目に遭ったら遭ったで記事のネタになるのでいいわけで、あまり考えずにソフトバンクにしたのだ。

IT関係以外のメディアもこぞってiPhoneネタを取り上げている

 あえて理由を付けるなら、ソフトバンクに付与されるプラチナバンドにより、電波状況が一気に改善されることを待望していることが挙げられる。まだ正式に割り当てられたわけではないのに、設備の発注と設置に動き始めていることからも、本気度がうかがえる。あとは、HSDPAの14.4Mbps対応にも淡い期待を抱いている。auは最大速度が3.1Mbpsなのがややネックだ。

 電波のつながりやすさで比べるなら、もちろんauだろう。筆者は主に東京で活動しているので、ソフトバンクのiPhoneで問題はない。ただ、地下鉄に乗っている時にはつながらないし、駅に着いても電波を拾うまでに時間がかかり、停車中に通信が終わらないことがほとんどでストレスが溜まる。その点、auなら駅からそこそこの距離まで電波が飛んでいるので、停車中にメールの送受やTwitterの更新が行えるのが便利だ。

 auは今のところ、テレビ電話の「Facetime」が利用できない。将来は対応するとのことだし、そこまで必要な機能ではない。気になるのは、通話中はデータ通信ができないという規格上の制限。話をしながらメールを送受信したり、ウェブで検索するといったことができないのだ。従来のアプリが、データ通信が切断されることでどんな挙動がでるのかもよくわからない。これから情報が集まってくるし、アプリもアップデートされることだろう。

 料金は両者ともに複雑だが、結局はほとんど同じ。デメリット・メリットはあるが、どちらを選ぶべきかはっきりと言えるほどの差は付かないだろう。今まで使っているキャリアを続けてもいいし、キャッシュバック目当てにMNPしてもいい。頻繁に通話する友人や恋人が契約しているキャリアにすればタダで通話できるのも大きな理由になる。

どちらのキャリアを選ぶかはその時の環境次第

 iPhone 3G/3GSのユーザーなら、ぜひ乗り換えてほしい。A5プロセッサの威力はすさまじく、絶対に満足する。iPhoneを狙っている人も、安いことだしデビューしてはいかがだろうか。一方、すでにiPhone 4のユーザーなら、急いで乗り換える必要はないかもしれない。いろいろと強化されているが、数万円も支払う価値があるかどうかは微妙なところだ。au版とソフトバンク版の趨勢を見たうえ、iOS 5のバグフィックスを待つ手もある。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「ポケット百科 GoodReader 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)。


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