手ブレ補正の搭載で撮影の幅が広がる
レンズは「GR LENS 28mm」(35mmフィルム換算)F1.9を搭載。「GR DIGITALIII」と共通のスペックである。F1.9の開放値があるので暗い場所などでのスナップ撮影では大変助かるだろう。
さらに今回GR DIGITAL IVではセンサーシフト式の手ブレ補正機能も搭載された。レンズ性能にこだわるGR DIGITALシリーズでは、手ブレ補正のためだけに光学系を増やすことはしたくなかったのだろう。
イメージセンサーのスペックは1/1.7型約1000万画素CCDとなっており、こちらもGR DIGITALIIIと共通である。ただし従来機と比べて画像のパッと見がキレイだと感じた。
画像エンジンのチューニングだけとは思えないくらい像の輪郭がシャキッとしている。従来と同じイメージセンサーを使用しているとはいえ、何らかの変更がされているはずである。
撮影感度に関しては従来のGR DIGITALIIIがISO 1600までに対して、GR DIGITAL IVはISO 3200まで設定できるようになった。開放値の明るいレンズとセンサーシフト式手ブレ補正機能の組み合わせにより、シャッタースピードを十分確保できない撮影条件下でも手ブレしづらくなっている。
通常、小型軽量なコンパクトデジタルカメラだとしても、1/60秒以下のシャッタースピードでシャッターボタンを押すときには手ブレが気になる。しかし、GR DIGITAL IVでは(押し方にもよるだろうが)手持ちで遅めのシャッタースピードでも手ブレが気になるようなカットはかなり少なく、撮影の幅は従来に増して広がったといえるだろう。
外部AFセンサーで合焦時間が半分に
スナップ撮影だけでなく暗い場所で強くなったのでは手ブレに対してだけでなく、オートフォーカスについても改良された部分である。
従来のコントラストAFでも、明るい場所で撮影しているときにはさほど遅いとは感じなかった。しかし、暗い場所やマクロ撮影などでは時間がかかってしまったり、ピントが合わないことがしばしばあったことも事実である。
GR DIGITAL IVでは外部AFセンサーを新たに装備。コントラストAFと併用することでフォーカススピードはGR DIGITALIIIと比較して最大で約1/2に短縮したという。
「スナップモード」で撮影しているときはフォーカス距離の設定を「AUTO」にしておくことで、外部AFセンサーのみを使用したAF撮影が可能となる。スナップ撮影時の短いシャッタータイムラグと高いピント精度の両立を果たそうとしている。