日本AMDは16日、CAFFE SOLARE(カフェソラーレ)LinuxCafe秋葉原で、新CPU「AMD FX」シリーズの発表を記念したイベント「秋のAMD FX祭り」を開催。同シリーズや対応マザーボードの紹介、オーバークロックデモなどを実施した。
オーバークロック講座
ステージでは、OVERCLOCK WORKSの渡辺氏が、オーバークロックについて細かく解説。FX-8150(3.6GHz)と付属の水冷クーラーを使用したBIOSの設定方法や電圧の上げ方をレクチャーした。
まず、電圧1.35VでCPUを4.8GHzまでオーバークロックして、CINEBENCHを走らせるとマシンが落ちることを実演。次に、電圧を1.45Vに上げるとベンチが完走することを来場者に見せた。
AMD FXはオーバークロックに向いているCPUということで、今度はさらに電圧を上げ、1.5Vで5GHz超えに挑戦。見事CINEBENCHが無事完走し、電圧の管理がいかに大切かを説いた。
続いて、液体窒素冷却によるオーバークロックを実演。あいにく会場内の気温と湿度が高かったため、マシンが結露しやすく6.4GHzまでのオーバークロックとなったが、同氏はイベント前に7.8GHzのオーバークロックに成功しており、AMD FXシリーズのオーバークロック耐性の高さをアピールした。
米AMDからボブ・グリム氏が来日
発売日の発表に期待が高まる!
イベントの最後のセッションでは、米AMDのボブ・グリム(Bob Grim)氏が登場。わざわざこのために来日したのだから、きっと重大な発表があるに違いないと、多くのファンが会場に詰めかけた。会場に入れなかった人は入口に設置されたディスプレーで内部の様子をチェックし、AMDからの情報を一語一句聞き逃さない様子だった。
AMD公式 世界最高クロック達成動画
これでAMDのイベントは終了。「あれ?期待していた情報が出てこないぞ」と来場者も帰る気が全くない。そこへ日本AMDの森本氏が現れ、ついにAMD FXシリーズの発売日が明らかにされた。
「6コアのFX-6100と4コアのFX-4100が、10月23日に発売開始です」
これまでさんざん8コアの優位性をアピールしておきながら、肝心の8コア製品の発表がない。来場者から「8コアは?」という質問が怒涛のように寄せられた。当然だろう。そこで告げられたことは以下のとおり。
「6100と4100以外の発売日は未定です」
これには、会場から「え~~~~」という声が一斉に発せられた。その声はおそらく近所のドスパラやクレバリーにまで届いたのではないだろうか。
期待させるだけ期待させておいて、おあずけにするAMD。なかなかジラすのが上手い。イベントの帰りに近くのショップで予約していこうと考えていた来場者は、発売日すらわからない新製品にやや失望気味……。
とはいえ、来場者のほとんどは、CPUの実物やデモ機を眺めつつ満足そうに会場を後にしていった。度重なる発売延期に、ファンもすっかり慣れているようだ。