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クラウド対応やアプリケーション制御、Webフィルタリングも追加

開発に3年!企業向けカスペルスキーの正常進化とは?

2011年10月14日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 10月13日、カスペルスキーは法人向けセキュリティ製品についての発表会を行なった。開発に3年をかけた「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」では、デバイス制御やWebフィルタリング、脆弱性モニターなどの機能が追加され、クラウドとも連携する。

プロアクティブな防御を実現する新バージョン

 今回、発表されたのはWindows PC向けの統合型セキュリティソフト「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」と、管理ツールの「Kaspersky Security Center」で、10月31日より販売を開始する。製品の概要について、カスペルスキー マーケティング本部 コーポレートマーケティング本部 部長 田村嘉則氏が説明を行なった。

カスペルスキー マーケティング本部 コーポレートマーケティング本部 部長 田村嘉則氏

 開発に3年をかけたというKaspersky Endpoint Security 8 for Windowsは、まずGUIを一新。セキュリティの現状を的確に把握するためにわかりやすいインターフェイスを作ったという。

 基本機能となるマルウェア検知に関しては従来からのシグネチャによるマルウェア検出機能に加え、脅威の発生に先んじたプロアクティブな防御を実現する。実績の高いふるまいベースのマルウェア検知を強化しつつ、コンシューマ製品で採用していたKSN(Kaspersky Security Network)というクラウドベースのレピュテーションデータベースに対応した。シグネチャが追いつかない最新の脅威を、いち早く検知する。「今までは来た攻撃に対応するという姿勢だったが、今後はプロアクティブに防衛しようということで、より強固なプロテクションを提供する」(田村氏)という。さらに悪意のある行動を元に戻すロールバック機能も追加された。

KSN(Kaspersky Security Network)というクラウドベースのレピュテーションデータベースに対応

 アプリケーションコントロール機能も強化し、アプリケーションの動作制御のほか、起動や脆弱性まで管理する。アプリケーションを許可、弱い制限付き、強い制限付き、禁止などのグループに分類し、「システムウォッチャー」によりすべての動作をモニタリングする。分類したアプリケーションはブラックリストとホワイトリストに振り分け、起動自体をコントロールできるほか、システムレジストリやユーザーデータへのアクセスを制限することが可能。アプリケーションの脆弱性もリスト化しており、通知や警告などを行なえる。デバイスコントロールも強化され、リムーバブルメディアやプリンター、モデムなどの利用を、デバイスIDに基づき、詳細に制御することが可能になった。

GUIは階層も浅く、使いやすそう

 さらに「ウェブコントロール」と呼ばれるWebフィルタリングも追加された。ユーザーやグループごとにURLフィルタリングを設定できるほか、コンテンツのカテゴリだけではなく、データの種類を条件にWebアクセスを詳細にコントロールできる。スケジュール設定やActive Directoryとの統合もサポートしている。

 その他、ファイアウォールやIDSの改善が図られたほか、インスタントメッセンジャーなどの通信スキャンも可能になった。パフォーマンス強化やSNS対応などを進める他社に対して、マルウェア検知という本来の目的のため、同社の持てる技術をつぎ込み、正常進化を遂げた形だ。

スマートフォン対応版も投入

 田村氏はエンドポイント製品の集中管理を実現する「Kaspersky Security Center 9」も紹介した。新たにVMwareの仮想マシン管理に対応し、仮想マシンの自動検出やインストレーション、削除まで行なえる。管理サーバーの仮想化にも対応するほか、インベントリの収集や脆弱性のスキャンも可能になった。

仮想マシンの管理にも対応

 さらに11月に投入される「Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartophone」も披露した。こちらはAndroid対応端末において、アンチウイルス、プライバシー保護、SIM監視、紛失・盗難対策、アンチスパムなどの多彩なセキュリティ対策を提供するモノ。前述したSecurity Centerで一元管理できるというメリットも持っている。

スマートフォンのセキュリティ対策をトータルに提供

 販売体制も刷新される。今まで、販売とサポートを6社のプラチナパートナー経由で行なっていたが、今回は新たにディストリビューター制度を導入。ディストリビューター経由で、パートナーが顧客に製品を提供するほか、カスペルスキー自体がサポートセンターも構築する。オープンプライスだった価格体型も、標準希望小売価格を設定する。たとえば、KWSS 10ユーザーあたりで、1ユーザーあたり6480円からとなる。

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