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超先進的な4K2Kテレビと6ch同時録画BDレコが拓く未来とは!?

REGZAの「顔」本村氏に聞く! 次世代テレビ&BDレコの全貌

2011年10月13日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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アスキー総合研究所・遠藤諭所長もオススメする55X3。「CEATEC AWARD 2011」のメディア投票部門でグランプリを受賞した

アスキー総合研究所・遠藤諭所長もオススメする55X3。「CEATEC AWARD 2011」のメディア投票部門でグランプリを受賞した

 4K2Kパネルに目が行きがちだが、55X3の多彩な機能を実現するもうひとつの主役が、高画質回路「レグザエンジン CEVO Duo」である。今年の4月に発表された「REGZA ZG2」シリーズの高画質エンジンと同様の名称ではあるが、実際にはまったく別の物であると考えていいだろう。

 主な働きとしては、現行のハイビジョン放送をQFHD解像度にアップコンバートする「QFHD超解像」やグラスレス3Dのための9視差映像の生成を行なう。

 超解像技術としては、基本的には9月に発表された「REGZA Z3」シリーズなどと同様で、「3次元フレーム超解像」や「再構成型超解像」などの技術と、新規に搭載された「カラーテクスチャー復元」が盛り込まれている。

 放送をはじめ、ほぼすべてのソースがフルHDである現在では、アップコンバート技術が重要になる。この点でも、すでに超解像技術を熟成させてきた東芝の優位性が現れた部分だろう。

 現行放送をアップコンバートするデモでも、高精細化の恩恵は確かに現われていて、フルHD放送と比べて明らかに映像品位が高まる。超解像技術は元になる映像の情報量が多いほどより大きな効果を発揮すると言われるが、単なる精細さではなく質感のリアリティーが高まったと感じる映像だ。

本村:「4K2K映像に関しては、NTTぷららがネットワーク配信を検討しているなど、4K2Kの映像が楽しめる機会も増えそうです。また、最新のデジカメの解像度は4K2Kをはるかに超えているが、そうした高精細な静止画を表示することも可能です」

 さらに、現在は業務用機器しかないが、4K2K映像を出力できる映像機器との接続にも対応する。この場合、別売となる「QFHD映像入力アダプター」が必要。現行のHDMIケーブルでは伝送帯域が足りないため、HDMIケーブルを4本使用する大がかりなものだ。4K2Kテレビが東芝から登場したことで、4K2K映像を楽しむ環境も急速に進んでいくだろう。

 録画機能は、USB HDDを組み合わせて行なうダブル録画+地デジ視聴で、最大4倍相当の長時間録画にも対応するなど、基本的にはZ3シリーズと同等。そのほかの機能についても、ほぼ同様と考えていい。そして、CELL REGZAの注目機能であった「タイムシフトマシン」は、今回はREGZAサーバーとして独立した。

家のテレビがレグザになる!?
「タイムシフトマシン」搭載のDBR-M190

「REGZAサーバー」こと「DBR-M190」

「REGZAサーバー」こと「DBR-M190」

 「REGZAサーバー」という愛称とともに発表された「DBR-M190」は、ZG2シリーズに搭載された「タイムシフトマシン」を備えるBlu-ray Discレコーダーである。地デジ6chを同時録画するだけでなく、最長4倍の長時間録画にも対応することで、蓄積できる番組の量が最大で15日分(M190)と大幅に拡大された。ちなみにHDD容量はM190が5TBで、下位モデルとなる「DBR-M180」が2.5TBとなる。

本村:「REGZAサーバーは、テレビ放送の膨大なコンテンツを蓄積するための専用機。BDドライブも備えるなど、BDレコーダーの範疇にある製品ですが、これまでのREGZAブルーレイとは異なる新カテゴリーと言えるモデルです」

 正直なところ、筆者は初代「CELL REGZA」の頃から、このような商品の登場に期待していた。同様に思っていた人も多いだろう。BDレコも各社からトリプルチューナー機が登場するなど、多チューナー化が進んでいるが、DBR-M190はそれらとは次元が違う。

 長時間モードについては、10倍超えが普通になっている他社のBDレコと比べると見劣りしていると感じるが、これについてはクオリティーとのバランスを見て決定されたという。

 タイムシフトマシンは、録画するチャンネルや時間帯の選択ができる(チャンネルや時間帯を絞ることでさらに長期間の番組の蓄積が可能)が、録画モードに関してはタイムシフトマシンとしては一括で切り替わり、番組個別の指定はできない。

 そのため、10倍以上の長時間モードにすると、蓄積したすべての番組が10倍モードになる。そのため、画質劣化があまり気にならない4倍程度に抑え、リアルタイムでの視聴とほぼ変わらない画質でタイムシフトマシンを活用できるようにしているのだ。

本村:「長時間モードでどのくらい番組を蓄積できるようにするかは議論がありましたが、2週間分というのはひとつの目標でしたね。これならば、連続ドラマを見ていて予想外の展開が起きたときなどに、前の週の放送に遡れます。実際にはもうちょっと欲張って、15日分とすることで、前の前の週まで遡れるように1日分の余裕を足しています」

 余談ながら、番組改編期の現在、筆者はさっそく視聴予定だったアニメ新番組をひとつ予約し忘れるという痛恨のミスをしたばかり。タイムシフトマシンさえあれば! と思わず声が出たのは想像通りだ。

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