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最新パーツ性能チェック 第114回

遂に姿を現した8コアCPU「AMD FX」はCPUの覇権を握れるか?

2011年10月12日 13時01分更新

文● 池座 優里

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付属の水冷クーラーの実力をチェックする

 今回チェックする最上位モデルFX-8150は、初回限定500セットにAMD向けにカスタマイズされた水冷クーラーが付属する。 CORSAIR「CWCH50」の登場以来、メンテナンスフリーの水冷クーラーは冷却性能の高さと取り扱いの易さで非常に人気が高いが、FX-8150に付属するクーラーもメンテナンスフリータイプの製品となる。

FX-8150にバンドルされる水冷クーラー。12cmファンが2個付属されているためデュアルファン構成も可能だ

CPU接触部には熱伝導率の高い銅を採用

CPUヘッド部にはAMD FXシリーズのロゴが大きくプリントされている。通電時はFXのロゴが淡く発光する

水冷クーラーに用意されているUSBピンをマザーボード上のピンヘッダに接続することで付属ソフトウェア「Chill Control V」でのコントロールが可能となる

 CPUの接触部には熱伝導率の高い銅を採用し、奥行き24mmの大型ラジエーターには120mmファンを2基まで搭載可能とするなど、その冷却性能には期待がかかる。
 そこで、今回は空冷のクーラーとの比較により付属の水冷クーラーの性能を駆け足でチェックしておきたい。なお、FX-8150の評価機材には空冷クーラーが用意されていなかったため、比較対象には「Phenom II X6 1100T」に付属するリテールクーラーを使用している。
 測定は室温25℃で10分放置した時点での温度をアイドル時、OCCT3.1.0を実行して最も温度の高かった状態を高負荷時とした。

クーラーによるCPU温度の違い

CPU温度(単位:℃)←better

 水冷クーラーはリテールクーラーに比べてアイドル時で8.7℃減、高負荷時で16.8℃減と大幅に冷却性能が高いことがわかる。特に高負荷時での温度低下は大きく、定格クロックでの運用を考えるならややオーバースペック気味といってもいいくらいだ。
 また、リテールクーラーでは高負荷時にファンがフル回転するため、かなりの騒音が出るのに対して、水冷クーラーではそれほど回転数が上昇しないため騒音も抑えられている。AMDとしてはおそらくオーバークロック用途での運用まで考慮した水冷クーラー同梱なのだろうが、「正直、ありがた迷惑」という意見も少なくないはず。アリかナシかの議論はここでは置いとくとして、これが水冷クーラーデビューというユーザーにとってはちょうどいい機会になるはず。これまでのリテールクーラーとはまた違う体験をすることができるはずだ。

オーバークロックを試す!

 前述のとおり、AMD FXシリーズはすべてのCPUで倍率ロックが解除されているため、倍率変更によるオーバークロックが可能となっている。さらに冷却性能の高い水冷クーラーが付属するとなれば、やはりオーバークロックを試さないわけにはいかないだろう。
 海外では液体ヘリウムを使った特殊な環境ながら、「FX-8150」が8.429GHzという世界最高クロックを達成している。そのオーバークロック耐性には否が応でも期待がかかる。

AMD公式 世界最高クロック達成動画




 本来であれば、オーバークロック設定を詰めて限界に挑戦したいところだが、今回はテスト期間が短いこともあり、電圧を「Auto」のままで倍率を変更してどこまでオーバークロックできるかを試してみた。

倍率変更にてオーバークロックしたところ。4.5GHz動作ならPCやWindowsの起動だけでなく、ベンチマークもすべて完走できた

AMD OverDriveでは8コアすべてが4.5GHz動作していることが確認できる

 今回チェックしたCPUでは、定格クロックから900MHzアップの4.5GHzで、Windowsの起動だけでなく、今回のレビューで使用したすべてのベンチマークが完走した。そこで、以下にオーバークロック時のベンチマーク結果をまとめておく。ちなみにベンチマーク条件はいずれも定格動作時とまったく同じ条件で行なった。

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