すでにNokiaはWP7用のアプリ開発者育成に
力を注いでいる
端末のほかに、Mangoの成否を握るもう1つの要因がアプリケーションだ。Windows PhoneでMicrosoftは「Windows Phone Marketplace」を展開しており、MangoのローンチにあわせてWeb版を公開した。Microsoft公式のWebサイト「Windows Phone Marketplace Statistics」によると、2010年10月のローンチから約1年、アプリケーションの数は3万2000点を超えたという。8000人以上の開発者がおり、カテゴリー別では、最も多いのがゲームで約17%、生産性ツール、エンターテインメントなどもよく開発されているようだ。
ちなみにiPhoneの「AppStore」のアプリ数は約42万、Androidは25万といわれている。だが、スマートフォンブームが一巡しつつあるところで、ユーザーにとってアプリの数は大きな要素ではなくなってきたように見える。プラットフォーム/アプリストアアプリ側は、開発を促進するのと同じぐらい、アプリストアの機能(検索、レコメンなど)の開拓を進める必要があるようにみえる。
その開発者側も、Nokiaへの期待は大きいはずだ。Nokiaは「Forum Nokia」というモバイル分野では最大の開発者向けプログラムを持ち(現在、名称は「Nokia Developer」に改名)、すでにWindows Phone向けアプリ開発の促進をスタートしている。
MSのもうひとつのスマホ戦略である特許関連では
Samsungとクロスライセンスを締結
最後に、Microsoftの裏の戦略ともいえるAndroidベンダーとの特許クロスライセンスでも、大きな動きがあった。Mangoローンチと同時期、MicrosoftはSamsungとクロスライセンス締結を発表、大手AndroidスマートフォンベンダーとしてはHTCに次ぐものとなった。MicrosoftはここでMotorola Mobilityがライセンス合意に応じていないことを強調し、プレッシャーをかけた。Motorolaはご存知のようにGoogleと買収合意を発表している。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない -
第328回
スマホ
一時はウェアラブルの代名詞だった「Fitbit」が一部の国で販売停止 Pixelにブランド統一か - この連載の一覧へ