携帯端末向けマルチメディア放送の事業者であるmmbiは、2012年4月にサービス開始を予定している放送局の名称を「NOTTV」(ノッティーヴィー)と公表。CEATEC JAPAN 2011の会場で発表会を行なった。
携帯端末向けマルチメディア放送は「モバキャス」という略称を用いることが決まっており、モバキャスのインフラはmmbiの子会社であるジャパン・モバイルキャスティングが構築・運営を行なう。
本来はインフラと実際に放送を行なうソフト事業者が分離される予定だったが、ソフト事業者として総務省に申請を行なったのがmmbi1社だったため、来春時点ではNOTTVがモバキャス唯一の放送局として、サービスを開始することになる。
現時点では番組内容や料金体系などは未定。ただし、「月額数百円」(mmbi代表取締役社長 二木治成氏)で、ライブ放送は3チャンネルが用意される。そのほかに端末内に自動的にコンテンツを保存できる「蓄積型放送」ではプレミアムの課金も考えられるとしている。初年度(2012年度)の目標は100万加入、数年後は1000万加入を目指しており、対応端末についてもドコモを中心にそれ以上の台数が提供されることが前提であるとする。
コンテンツのビットレートは1.5Mbpsが基本だが、圧縮方式にH.264を用いることで、DVDクオリティー(720×480ドット/30fps)の映像が提供されるという。ワンセグとは明白に異なる画質と言えそうだ。また、現在はスマートフォンへの提供が前提となっているだけに、SNSとの連携も考えられており、デモで用意されたソフトウェアでも、放送中の番組についての感想をTwitterやFacebookに投稿して、それを視聴者間で共有できるといった操作を予定している。
mmbi以外にソフト事業者として申請がなかったことに質問があったが、二木氏は「色々な方々が興味を持ってらっしゃるようだが、今回は新しいサービスなので様子見されているよう」と語り、mmbiみずからコンテンツを調達し、盛り上げていくとの方向性を見せる。その上で「どんどん他社に参入していただけるようにしたい」と意欲を語った。
トップ画面から「すぐ見る」を選択すると、現時点で視聴可能な番組を一覧表示する。「番組」は現在放送中のチャンネルで、「コンテンツ」は蓄積型ですでにダウンロードされているものだ。モバキャス対応端末はメーカーに16GB以上のメモリーカードを同梱することを推奨しており、そのメモリーカードに放送波を通じて受信した番組を自動で蓄積する

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