「iPad 2」を利用した授業の様子が、千葉県立袖ヶ浦高等学校において公開された。
同校では、2011年4月から、情報コミュニケーション学科を新設。ICTを最大限活用して問題解決能力を身に付けるとともに、高度情報社会の中で主体的に活躍できる生徒を育成する「10年先の未来型学習」を掲げているのが特徴だ。
「情報コミュニケーション科では、情報社会に生きる感覚を体感し、その効果と注意点を実践的に身に付けてほしいと考えている。また、生徒全員がiPad 2を購入し、専門教科のみならず、普通教科においてもICT機器を日常の道具として使用することを目指している」という。
iPad 2を導入した理由として、袖ヶ浦高等学校の永野直教諭は、「教育現場における従来のPC利用は、特別な教室で、特別な授業を行なうというものだった。ICTの使い方を学ぶのではなく、ICTを使いこなして学ぶ時代に合ったツールが必要だと考えた。ノートPCやネットブックを活用するという考え方もあったが、起動までに2分かかるというだけで授業が止まってしまう。起動の速さや、カメラを内蔵していること、教育分野にも安心して利用できるアプリケーションが使えることなどが、iPad 2に決定した理由。生徒には鍵付きのロッカーを用意し、紛失や盗難にも対処した」と説明した。
公開されたのは、高校1年の生物の授業および情報コミュニケーションの授業。使用した生物実験室、情報実習室の教室には、無線LANと電子黒板を整備。情報コミュニケーション科の1年7組の生徒40人がiPad 2を利用して、授業を受けている様子を公開した。
生物の授業では、インパチェンス(アフリカホウセンカ)の花粉管が時間を経過するごとに伸長する様子を顕微鏡で確認しながら、iPad 2のカメラ機能を使って、顕微鏡映像を撮影。この映像を使用して、プレゼンテーションソフトの「Keynote」を用いてスライドを作成したほか、うまくスライドが完成した生徒は、データフォルダーを共有サイトにアップロードして、伸長の変化を撮影できなかった生徒がこれを閲覧できるようにした。
