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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第99回

マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」

2011年10月07日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta

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目標は無報酬でも続けていけること

―― ひとつ気になるのは、コメント欄の雰囲気です。内容的に賛否両論が飛び交うとは思いますが、過激な論調ばかりになると、ユーモアを解する声がかき消されてしまいます。その辺りは、管理側で制御していますか?

藤倉 いえ、どんなスタンスでも自由に書き込んでもらっています。ただ、確かにあまりに熱狂的なファン目線のコメントは……嬉しいけどちょっと困りますね。「藤倉さんすごい!」「藤倉さん格好いい!」みたいな絶賛コメントばかりで埋め尽くされると、ウチからカルトの香りが漂うようになっちゃいますしね。

 まあ、とはいえ、僕は読者の方に自分たちと同じ思考を求めているわけではないので、度をこさない限りは、非難も賞賛も自由に書き込んでもらえたらと思っています。


―― わかりました。では、今後の目標を教えてください。

藤倉 カルト新聞をはじめたとき、メンバーにも伝えたんですが、目標は「このサイトを続けること」なんです。メンバーに月何本みたいな更新ノルマを設けていないのも、本業を圧迫せずに無理なく続けてもらうためなんです。それは僕自身も同じで、一生かけたライフワークにするために、縛りを最小限にしているんですよ。そして、僕が死んだら誰かに引き継いでもらって、永久に続けられるのが理想です。

 そのためにも、広告収入やカンパから、経費が100%まかなえるようにしたいと考えています。サイト運営や取材・執筆は無報酬でいいんですが、取材費まで持ち出しとなると、メンバーの負担も大きいので。


―― 広告といえば、カルト批判をしているのに、カルト団体の書籍の広告が貼られたりしていますね。あれは意図的ですか?

藤倉 Google Adsenceの仕様か、こちらでわざと貼りつけているものです。僕もすごく皮肉が効いていて気に入っています。たとえば特定の宗教団体を名指しで茶化したり批判したりする記事を載せると、Google Adsenseが自動でキーワードマッチングして、その宗教団体の広告を表示する。また、たとえば「あるセミナーで受講生が亡くなりました」という記事の下に、僕が手作業で、そのセミナーの代表が書いた本の広告をわざと記事内に貼り付ける。カルト的な団体を批判をするブログに、その団体が金を出すという、奇妙な状況になっているわけです。ネガティブアフィリエイトという自称「画期的なビジネスモデル」です(笑)。


―― (笑) では、そうしたコスト面の問題を解決しつつ、一般の人でも触れやすいカルト批判の情報源として、定番にしていくわけですね。

藤倉 そうですね。あとは、わりと真面目に宗教法人化も狙っていますよ。どこかの休眠法人でも買って、適当な置き物を本尊にしたり、宗教法人としてどこかのカルト団体の活動を妨害したりして、面白そうじゃないですか。あとは、宗教法人の立場から、金満宗教団体の税制優遇を撤廃しろと主張してみたい(笑)。

 まあ、そういうバカなやり方で、ちょっとした正論を吐いていきたいと思っています。



古田雄介

筆者紹介──古田雄介


 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。ツイッターIDは@yskfuruta。当連載、最終回まであと1回!




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