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ディレクターが押さえたい戦略フレームワークの基本

2011年12月09日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 マーケティングとは、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行なう市場創造のための総合的活動である」と日本マーケティング協会は定義しています。

 もう少し噛み砕くと、顧客の欲求に対してモノやサービスを提供することで利益を得る、一連の企業活動そのものと説明できます。マーケティングと聞くと広告・宣伝活動をイメージしますが、実際には商品の企画・開発から営業・販促、顧客対応にいたるまでの広範な活動がマーケティングなのです。

3つのマーケティング戦略

 企業がマーケティング戦略を考えるためには、さまざまな考え方(フレームワーク)が存在します。中でも、一般的に広く知られている基本的なフレームワークが「3C」「STP」「4P」の3つです。

 「3C」とは、「市場(Customer)」「自社(Company)」「競合(Competitor)」の頭文字を取ったもので、自社にとって有利な状況がどこにあるかを見つけ出すときに、各々の立場からの視点で整理するために使われる考え方です。市場の成長性や顧客の満足度、他社の強み・弱み、自社の強み・弱みなどを明らかにし、参入すべきはどこかを検討します。

 「STP」は、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字です。共通のニーズを持つ顧客をグループ化(セグメンテーション)し、各グループのボリュームや将来性と自社の受容性から、自社の有利になりそうなグループを選びます(ターゲティング)。同時に、他社との違いや優位性を具体化します(ポジショニング)。これによって「誰に何を提供するのが得策なのか?」を明らかにします。

 「4P」は、「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販促(Promotion)」の頭文字で、各々を組み合わせて考えます。消費者のどのようなニーズに基づく製品か、顧客が感じる価値に見合う価格はいくらか、どこで販売するか、コミュニケーションでは何を伝えるかといったことを統合して考え、各々を的確なものにします。

切り口としてフレームワークを活用

 紹介した3つはマーケティング戦略のフレームワークですので、Webサイトの制作にはあまり関係がないと考えるかもしれません。 しかし、フレームワークは、戦略を考える切り口となるものです。Web戦略の立案時やサイト企画時に取り入れると、考えの整理に役立ち、ヒントを発見できる場合もあります。ぜひ活用してみてください。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。

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