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週刊 PC&周辺機器レビュー 第118回

一回り大きくなった一体型 新VALUESTAR Nの実力は?

2011年09月30日 12時00分更新

文● 池田圭一

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吸気穴が各所に開いているのが目立つ背面。上方排気で稼動中は空冷ファンの音がわずかに聞こえる

 常時ケーブルが接続される電源(ACアダプター)や有線LANのGigabit Ethernet端子、テレビアンテナの各コネクターは背面右下に集約されており、背面左下部にはあまり抜き差ししない周辺機器用に、USB 2.0ポートが4つある。背面に転倒防止鎖の取り付け金具があるのは、国内メーカーならではの気配りだと感心する。

 なお、VN790/FSは最大メモリー容量の8GB(4GB×2)を標準搭載するため、B-CASカードをセットするとき以外に用はないのだが、背面カバーを開けるとメモリースロットおよびB-CASカードスロットにアクセスできる。

地震の多い国だからこその転倒防止鎖取り付け金具。さすがは国産パソコンだと感心した

背面右上カバー内には、メモリースロットとB-CASカードスロットがある

映像、音響を重視
テレビ機能に注力したスペック

 VN790/FSのCPUは、発表されたばかりのクアッドコアCore i7-2670QM(2.20GHz)。前出のようにメモリーも8GBを標準搭載し、ノートや省スペース機としては現在のハイエンドと言える。テレビパソコンだけあって録画データの保存も十分なように、BDXL対応の書き込み型BDドライブに加えて、容量2TBのHDDも内蔵する。搭載するIPS液晶パネルも、テレビ向けの画質といえよう。

Windows 7のエクスペリエンスインデックス、CPUおよびメモリーのスコアは良好。HDDスコアは低いが、単体HDDではこれが事実上限界値

 ここまでは「詰め込めるだけ詰めた」という構成だが、いまひとつなのがグラフィックス性能だ。CPUやメモリーが高性能なのに独立GPUは搭載しておらず、すべての画面表示はCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を使用しているためだ。また、2TBのHDDは大容量で静音志向だが、回転数が5400rpmと遅いためか、読み書きに少々もたつきを感じてしまう。ちなみに、Windows 7のエクスペリエンスインデックスは「5.9」(HDD)。やはりHDDがボトルネックとなっている。

PCMark 7 Professionalのスコア
PCMark Lightweight Productivity Creativity
2569 1934 1530 4746
Entertainment Computation System storage
2561 10489 1673

 総合ベンチマークテスト「PCMark 7」の総合スコアは「2569」。ここでもグラフィック関連(Entertainment)とHDD関連(System storage)のスコアが低めである。せっかくの3Dステレオ表示機能(後述)も、「ゲームを楽しむ」用途には不向きだろう。例えば、本体には比較的小容量の高速HDD(あるいはSSD)を内蔵して、録画データ保存用には別のHDDを搭載する、といった商品展開も欲しいところだ。

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