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デスクトップを超えた! 持ち歩ける15.6型フルHDモデル

4コア+SSDの衝撃性能! Let'snote B10 QuadコアCPUモデル

2011年10月04日 10時00分更新

文● 高橋量、写真●篠原孝志(パシャ)

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新基板に独自の排熱設計を採用

 見た目は従来のB10と変わらないB10 QuadコアCPUモデルだが、内部は大きく変わっている。その理由は、CPUがデュアルコアからクアッドコアに強化されたことにより、TDP(熱設計電力、最大放熱量を表わす単位)も35Wから45Wに増加したためだ。

 CPUを高温のまま動作させ続けると、PCの挙動が不安定になったり、最悪の場合フリーズや故障の原因となったりもする。そのため、特にハイスペックなノートではCPUの発する熱をいかに効率的に排出するかが重要な課題となる。

B10 QuadコアCPUモデル向けに新たに作りなおされたメイン基板と放熱パーツ

従来のB10モデルで使用されていた基板と放熱パーツ

B10 QuadコアCPUモデル(写真左)と店頭モデル(写真右)の放熱フィン。材質/ピッチが改良されている

 店頭モデルとB10 QuadコアCPUモデルでは、CPUやチップセットの熱をヒートパイプに逃がすための部品(受熱ユニット)が大きく異なる。

 従来はアルミ板を折り曲げただけの比較的シンプルな加工だったが、B10 QuadコアCPUモデルでは型に流しこんで作るダイキャスト加工になっている。表面に複雑な突起を追加。表面積を増やすことで上部への熱拡散も効率化している。さらにチップと接する部分にはアルミより熱伝導率の高い銅チップを埋め込み、より効果的な放熱を実現している。

ダイキャスト製の受熱ユニット。放熱突起がCPUの熱を効果的に拡散する

熱伝導率の高い銅チップを埋め込むことで、放熱効果が向上している

 排気部分の放熱フィンにも手が加えられている。材質がアルミから熱伝導率の高い銅に変更されているが、フィンのピッチ(間隔)も1mmから0.8mmに狭めている。特に0.8mmピッチという極狭フィンは他社製品でも例がなく、パナソニックだからこそできるクオリティーといえる。

B10 QuadコアCPUモデル(写真左)と店頭モデル(写真右)の放熱フィンを拡大。フィンのピッチ(すき間)が1mmから0.8mmに狭められ、より効果的に排熱できるようになった

 本体の排気口は開口部分が大きくなった。排熱効果の向上はもちろんだが、風切り音も低減できる。実際に起動してみたところ、SSD搭載という影響もあって驚くほど静かだ。ファンの音も従来の「サー」という音が「ゴー」と少し低い音になっていて、より動作音が目立たない印象だ。

開口面積がアップしたことで風量が増加。さらに風切り音も低減している

 なお、B10 QuadコアCPUモデルでは“基板の再設計”も実施されている。ここはもっとも手間とコストのかかるが根本的な見直しとなる手段であり、いくら15周年記念モデルとはいえ、このB10 QuadコアCPUモデルのために基板から作り直すとは、なみなみならぬ気合いの入りようである。この1点だけでも、単にCPUを替えただけのマイナーチェンジという言葉で片付けるのはふさわしくない。

 主に電源回りのチップを追加するための施策とのことだが、新旧の基板をよく見比べると、新基板ではレイアウトだけでなく、チップ数も減少しているのが分かる。実は店頭モデルのメイン基板は、Let'snote S10やN10と共通化されていた。S10/N10では柔軟なカスタマイズに対応するため、B10では使わないチップも含まれていた。しかしQuadコアCPUモデルでは基板設計が見直されたことで、不要なチップは取り除かれている。

QuadコアCPUモデルの新基板。電源回りのパーツを変更。レイアウトも大きく異なる

店頭モデルの基板。S10やN10でも利用されていたもので、左上部分の形状などが異なる

 ネット販売用のプレミアムモデルというと、パーツを上位バージョンに差し替えただけ、というのが一般的だ。これに対して、B10 QuadコアCPUモデルは、上記のように内部設計が大きく見直され、コストと手間をかけたモデルなのだ。

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