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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第72回

知らない動画がザクザク見つかる「JamCloud」が楽しすぎる

2011年09月24日 12時00分更新

文● 四本淑三 取材協力● 船田戦闘機

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JamCloudのアイディアはturntable.fmより前にあった

―― それじゃスティーヴン、まず開発がいつスタートしたのか教えてください。

スティーヴン 2年前ですね。

―― ずいぶん早いですね。今のJamCloudの形ができたのは?

スティーヴン β版を作っていたのが、去年9月から今年の4月だったかな?

スティーヴン・サックス(写真はTwitterのアイコン)

―― turntable.fmのことは知ってます?

スティーヴン もちろん。

―― JamCloudの開発になにか関係はあります?

スティーヴン 似てるってこと? ローンチされたとき、やっぱり興奮しましたよ。

―― ガッカリはしませんでした?

スティーヴン あえて言えば、“いつもぼくたちが比較される”ってことにはガッカリでした。でも、この種のWebサービスが有名になったのはよかったと思ってます。いまぼくは仕事を辞めてJamCloudだけをやってますが、それもturntable.fmが出てきて焦ったからですよ。ただ、turntable.fmはローンチしてから1ヵ月半で、(楽曲の権利上の理由で)海外からのアクセスをシャットアウトしたでしょ?

―― はい。

スティーヴン 日本で使っているユーザーがすごくガッカリしてましたよね。

―― ええ、私もです。

スティーヴン JamCloudはまだ自分のお金だけで作っているサービスです。そして世界中に開かれている。だから願わくば、世界中のユーザーたちに投資をしてもらいたい。もっとデザインを変えたいなと思ってます。ぼくたちはturntable.fmみたいにお金がないから、アバターとか、リッチなデザインにはできなかった。ローンチのときは友だちに頼んで、シンプルに機能だけをおさえたデザインにしてもらったんです。

―― では、そんなJamCloud事業の目的を教えてください。

スティーヴン まず、ぼくと友だちのジェイソン・グランストラ(Jason Grunstra)の2人で、YouTubeのためのサービスを作ることにしたんですね。ぼくたち、メッセンジャーのIMで友だちにYouTubeのURLを送りつけるのが好きだったんです。「これやばい」「これすごい」って感じでね。その友だちとFacebookで話しているうちに、JamCloudの原形になるアイデアが出てきた。まずはシンプルなサイトイメージを作って、じゃあプロダクトにしようという話になったんです。

 turntable.fmが出てきたとき、「やっていることは似ているけど、やり方が違うな」と思った。もちろんぼくらは彼らを真似しようと思ってるわけじゃありません。彼らはWebサイトだったでしょ? Webサイトなら、1年半以上も前から「synchtube.com」があった。そこもけっこう英語圏では有名なサイトだったんです。次にかける曲が投票できたり、チャットができたりとかね。turntable.fmはそこの見せ方をすごくうまくやったので、ぼくらも刺激されたんですよ。

synchtube.com

 それと、turntable.fmは自分で音楽データを持っていますが、JamCloudは、YouTubeとSoundCloudをストリーミングします。音楽レーベルとのライセンス契約はYouTubeやSoundCloudが済ませているので、ストリームへの(著作権上の)制約を受けないわけです。

 もう1つ、ぼくたちは国際的なことも新しいと思っています。JamCloudのチャットには、Google翻訳のAPIを取り入れています。つまり、みんなが話してることをリアルタイムに母国語に翻訳できる。フランス語から日本語、日本語からフランス語だって楽勝ですよ。世界中の人たちがいっしょに音楽を聴き、言語の壁なく会話できる。

 つまり事業の目標は「音楽を楽しむ心で、世界を1つにする」ってことです。

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