このとき、テレビ画面に目をやると、PTV2000の個体識別コードが4桁の数字で表示されている。その番号を入力して[続行]ボタンをクリックすれば接続は完了だ。なお、識別コードの入力は初回接続時のみ、その後はプロファイルが保存されるため、選択するだけで接続できる。
あとはWindowsの画面解像度設定で、マルチモニター(同画面の複製表示)にするかデュアルモニター(画面の拡張)にするかを選ぶだけである。
映像の表示には「エンコード→無線伝送→デコード」というプロセスが入るので、若干の遅延がかかる。マウスポインターの動きなども含めて、PTV2000経由の表示はノートのディスプレーより1秒ほど遅延する。表示遅延は技術的に不可避であるので、リアルタイム性を要求されるゲームなどには向かないのだが、例えばフルHD(1920×1080ドット)の動画などでもスムーズに表示されるので、非常に快適であった。
ワイヤレス・ディスプレー受信機としてのPTV2000は、コンパクト&シンプルで、ユニークな製品であり、機能も申し分ないうえ実売価格も1万円程度と、コスト的にもお手ごろ感がある。惜しむらくは、WiDi対応のノートが今はまだ少ないことだが、HDCPもサポートされたので、パソコン画面・音声のワイヤレス伝送のスタンダードとして今後の発展が期待できる分野とも言えるだろう。
PTV2000 の主な仕様 | |
---|---|
無線通信機能 | 2.4GHz/5GHz、IEEE802.11n |
インターフェース | HDMI出力、コンポジットビデオ出力(RCAピンジャック) |
最大表示解像度 | 1920×1080ドット |
サイズ | 幅138×奥行き106×高さ32mm |
質量 | 約180g |
価格(実売価格) | オープンプライス(1万円前後) |
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筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
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