HDMI出力可能なノートパソコンが増えてきたこともあり、パソコンの画面をデジタルテレビに表示するのは、そう難しいことではなくなった。しかしケーブルを使う限り、配線の手間やケーブル長による制約は残る。それを解決するのが、テレビ側に取り付けるワイヤレス伝送の受信機、ネットギアの「PTV2000」(Push2TV HD)である。ただ、これにはひとつの条件がある。送信側をどうするか、だ。
Intel ワイヤレス・ディスプレー(WiDi)とは?
PTV2000が受けるワイヤレス伝送の信号は、「Intel ワイヤレス・ディスプレー」(WiDi)と呼ばれる技術を利用している。これはインテルが開発した技術で、パソコンの映像・音声信号を、無線LANの電波に乗せて送出するというものだ。
こう書くと、さまざまな用途に応用できる非常に期待できる技術……のように思えるのだが、下記の条件を見ていただいてもわかるように、実際には最新のインテルプラットフォーム搭載ノートでのみ動く。実体はかなりの独自技術といえそうだ。
- WiDi使用の必須5条件(関連リンク)
- CPU:ノート向けCore i7/i5/i3のいずれか(Sandy Bridge、Nehalem)
- グラフィックス:Intel HD Graphics
- 無線LAN:Intel Centrino Wireless-N/Advanced-N/Ultimate-N(比較的新しいもの)
- OS:Windows 7 32bit/64bit版
- ソフトウェア:Intel My WiFiテクノロジーおよびIntel ワイヤレス・ディスプレイ(以下WiDiソフト)
これらの条件を大まかに言うと、「2011年に発売されたインテルCPU搭載のノートで、11n対応のインテル製無線LAN機能を内蔵する機種」となる。ソフトウェアはインテルが配布しているため、特に課題となるのは無線LANモジュールだろう。低コスト化のためか、インテル純正の無線LAN機能を搭載するノートは意外と少ないのだ。そこで今回の試用では、WiDi対応をうたうソニー「VAIO S」(VPCSB18FJ)をお借りしてテストしてみた。
ちなみに、国内でWiDi対応のテレビ用アダプターを出しているのは3社。バッファローの「PC-TV1/HD」に、アイ・オー・データ機器の「WDA-X1」、そしてネットギアのPTV2000である。どの製品も機能的にはそれほど差異はないが、PTV2000には光デジタル音声出力端子がなく、その分だけ安価になっている。それではPTV2000の詳細を見ていこう。
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