ゲーム用ディスプレーとしての実力をさらに高めたZP2/ZP3シリーズ
ZP2シリーズは、東芝の「レグザ」の最上位にあたる、Zシリーズのパーソナル用中~小画面モデルという位置づけだ。高画質回路も「レグザエンジンCEVO」を搭載するなど、その実力は同じ画面サイズの他社モデルと比較しても一線を画したものとなっている。
しかも、高画質スタンダードモデルと言えるZ2シリーズと異なり、電池の要らない軽量な3Dメガネを使う「シアターグラス3D」を採用。走査線ごとに左右の映像を交互に表示する「ライン・バイ・ライン」型の3D映像表示が可能だ。
そして、ゲーム用の低遅延モードも、3D対応の「3Dゲーム・ターボ」を搭載。26ZP2ならば、その遅延はわずか約3msec(約0.2フレーム)と、ほとんど体感できない低遅延を実現。3Dゲームでも、その遅延は約25msec(約1.5フレーム、理論値)とかなり短縮されており、遅延を気にすることなく快適にゲームを楽しみたいという人にはうってつけの実力を備えている。
26V型と32V型のパーソナル用サイズとして登場したZP2シリーズは、発売当初こそ、同サイズのモデルと比べやや割高な印象もあったが、その評判や注目度は上々だった。しかも現在は価格もこなれ、26V型でおよそ7万5000円ほど、32V型も約9万円とかなり手頃になっている。
こうした人気に対応するかのように、先日発表されたZP3シリーズは、37V型と42V型の大画面モデルのラインナップとなった。「レグザエンジンCEVO」搭載や「3Dゲーム・ターボ」などの特徴に加え、超解像技術は新たに高彩度の色情報を復元する技術まで搭載。録画機能は長時間録画にも対応するなど、数々の魅力を高めている。
発売は11月中旬とまだ先だが、26V型や32V型ではなくリビングで使える大画面を期待していた人にはこれまた注目のモデルと言えるだろう。
PSPのゲーム画面をより大きく表示できる「ポータブルズーム」
ここからは、26ZP2で実際にゲーム機の画面を映しながら、その魅力を紹介しよう。
まずは、PSPのゲーム画面表示だ。携帯ゲーム機は、それまで室内でしか遊べなかったテレビゲームを手軽に屋外でも楽しめるようにしただけでなく、通信機能によって友達同士での協力プレイをはじめとする新しいプレイスタイルも生み出したことで、現在のゲームの主役的な位置にあると言える。
しかし、小さな画面での長時間プレイに苦痛を感じる筆者のような人もいる。また、家の中でプレイするときは、テレビの大画面でプレイしたいという声は少なくなかったのだろう。PSPでも第2世代モデルからは、テレビなどへのディスプレー出力が備わっている。
ところが、メニュー画面こそディスプレーいっぱいに映るものの、肝心のゲーム画面はタテヨコとも半分ほどに縮小された額縁表示となってしまい、せっかくのテレビ出力なのに大画面表示を十分に生かせない状態が続いた。
それを解決してくれたのが、「レグザ」の「ポータブルズーム」だ。
これは、PSPのゲーム画面出力時に、黒幕部分をカットして画面いっぱいに拡大する機能。これならば、大画面テレビをフルに生かしてPSPのゲームを楽しめる。
こうした機能を他社のテレビが採用しない理由はいろいろと考えられるが、最大の要因はPSPのゲーム画面の解像度が、SD映像のさらに1/4程度の低解像度だということだろう。このため、ズーム機能で拡大表示してしまうと大画面での視聴には耐えない粗いゲーム画面になってしまうことを危惧したと思われる。
しかし、「レグザ」には、元々の解像度以上の情報まで復元する「超解像技術」がある。このため、PSPのゲーム画面のズーム表示でも、映像の粗さがそれほど気にならない映像表示を可能にしたというわけだ。こうした「超解像技術」をはじめとする高画質化を進めながら、業界最高レベルの低遅延を実現しているという点も、ZP2シリーズの凄いところだ。