起動時間や3Dグラフィックス性能が向上!
実機で検証してみた
Parallels Desktop 7では、Windowsの起動時間や3Dグラフィックス性能が向上したという。そこで、どの程度の性能向上が見られるか、15インチ MacBook Proを利用して検証を行なってみた。
検証マシンの仕様 | |
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名称 | 15インチ MacBook Pro(Early 2011) |
CPU | Intel Core i7-2820QM(2.3GHz、4コア) |
メモリー | 8GB |
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics 3000(CPU内蔵) およびAMD Radeon HD 6750M |
ストレージ | 256GB SSD |
ホストOS | Windows 7(64bit版) |
仮想マシン設定 | メモリー4GB/仮想CPU4個 |
まずテストしたのは、ホストOSとしてインストールしたWindows 7の起動時間だ。Boot Camp環境の場合は、起動ディスクをWindowsパーティションに設定し、OS X Lionから再起動してWindows 7のデスクトップが表示されるまでの時間を計測した。また、Parallels Desktopの場合は、仮想マシンリストから仮想マシンを起動し、Windows 7のデスクトップが表示されるまでの時間をチェックしている。
そして、検証結果をまとめたものが表1だ。Parallels Desktop 7は、Parallels Desktop 6と比較して17%程度の性能向上となっていることが分かる。再起動が必要なBoot Campと比べて、もともと仮想マシンの起動時間は短いのだが、バージョンアップでさらに起動時間が短縮された。ゲストOSの使用状況にもよるが、サスペンドからの復帰であれば10秒以内でWindows環境が使用可能になる。OS X Lion使用中に急にWindowsアプリケーションが必要になった場合でも、すぐに作業できるというわけだ。
表1:Windows 7の起動時間(実測) | |
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ゲストOS環境 | 時間 |
Boot Camp | 39.9秒 |
Parallels Desktop 6 | 17.81秒 |
Parallels Desktop 7 | 14.84秒 |
一方、グラフィックス性能の検証は、「MAXON CINEBENCH R11.5」と「FINAL FANTASY XI for Windows オフィシャルベンチマークソフト」を利用した。CINEBENCHでのOpenGLの計測値ではParallels Desktop 6の値が非常に低い値となっているが、ベンチ測定画面を見るかぎり、これほどの差は感じられないため、正しく測定できていない可能性が高い。
Parallels Desktop 7の検証結果を見ると、ビデオカードの機能をフルに活用できるBoot Camp環境の65%程度の値が出ており、エミュレーションされた環境としては上出来だろう(表2)。仮想化ソフトでは命令コードの大半はネイティブ実行されるため、CPUの計測値はバージョンアップによる差は見られなかった。Boot Camp環境との差はスレッド数(Boot Campは8スレッド実行、仮想マシンは4スレッド実行)の違いによるものだ。
表2:「CINEBENCH R11.5」ベンチマーク結果 | ||
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ゲストOS環境 | CPU(pts) | OpenGL(fps) |
Boot Camp | 4.53 | 43.92 |
Parallels Desktop 6 | 4.01 | 3.94 |
Parallels Desktop 7 | 4.01 | 28.93 |
DirectXを使用したFINAL FANTASY XIベンチの結果は、Parallels Desktop 6と比較して18%程度の向上が見られた(表3)。6800という値は、ATI Radeon X1600搭載iMac(Early 2006)のBoot Camp環境における計測値(6000程度)を大きく上回っており、実用性は十分高いといえる。
表3:FINAL FANTASY XIベンチマーク結果 | |
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ゲストOS環境 | LOW |
Boot Camp | 10536 |
Parallels Desktop 6 | 5816 |
Parallels Desktop 7 | 6864 |
なお、Parallels Desktop 7の3Dグラフィックスサポートは従来同様DirectX 9対応に留まっており、DirectX 10/11を必要とする新しいゲームやベンチマークソフトは動作しないので注意してほしい。